JGC会員について詳しく解説します!
持っているだけでサファイア会員サービスを受けられます。
✔ JALグローバルクラブ(JGC)カードとは
JALグローバルクラブ(JGCと略されます)は日本航空の上級会員制度であり、一度入会資格を満たせば永続的にJMBサファイア会員相当の特典を享受できるのが大きなメリットです。
また、JALは航空連合ワンワールドに所属しているので、JGCを保有しているとワンワールドの上級会員資格(サファイア)も保持できます。
アメリカン航空、ブリティッシュ・エアウェイズ、キャセイパシフィック航空、カンタス航空、フィンエアー等のフライトの際にも至れり尽くせりのベネフィットを享受できます。
JGCへの入会条件ですが、50,000FLY ONポイント獲得等の条件をクリアすると、クレジットカードのJALグローバルクラブカードに入会することができ、毎年年会費さえ払い続ければ飛行機に全く乗らない年があっても永続的にJAL/ワンワールド上級会員資格を保持できます。
JALグローバルクラブの会員は、サクララウンジ、ワンワールド航空会社のビジネスクラスラウンジ、特典航空券の優先予約、優先保安検査場、優先搭乗、優先手荷物引き渡しなど、スペシャルな特典を受けられます。
JALならびにワンワールド加盟のエアラインでフライトする機会がある方にとっては、珠玉の価値がある垂涎の会員プログラムとなっています。
全日空(ANA)でも同様の上級会員制度が設けられており、こちらはスーパーフライヤーズカード(SFC)というクレジットカードを保有し、年会費を払い続けさえすれば永続的にステータスを維持することができます。
SFCについては以下の記事で詳細を掲載していますので、興味のある方はご覧ください。
SFC会員を目指して修行を検討している方『飛行機で移動することが多いので、ANAのスーパーフライヤーズカード、いわゆ…
✔ JGC会員入会条件
気になるJGCの入会基準ですが、日本航空の上級会員制度「FLY ONプログラム」の会員ランクの一つである『サファイア』ステータスを達成することが必要です。
サファイアステータス達成の後にCLUB-Aカード以上の所定JGCクレジットカードに入会すると、年会費を払い続ける限り、サファイアステータスが永続的に維持されます。
毎年更新されるJALのステイタス会員制度は4段階となっており、一定のFLY ONポイント(FOP)を獲得もしくは搭乗回数をクリアすると、上級会員の資格が付与されます。
(※FOP獲得ポイント以外に、累計搭乗回数の条件も並列して存在しますが、あまり活用される場面は少ないかと思いますので割愛します。)
80,000P以上〜:『エメラルド』ステータス
50,000P以上〜80,000P未満:『サファイア』ステータス
30,000P以上〜50,000P未満:『ルビー』ステータス
30,000P未満:一般会員
JGCへの入会資格は、上記のうち『サファイア』ステータスに一度でも到達している必要があります。
しかし、実際に『サファイア』ステータスへと至るのは一般の人ではなかなかに難しく、そのためJGC入会を達成するための過程を『JGC修行』とも言い表します。
厳しい修行を乗り越えたという証としても価値のある1枚なのです。
僕は過去にこの『JGC修行』を短期でこなし、見事JGC会員になることができました。
『サファイア』ステータスになっている期間中にJGC対象のクレジットカード(CLUB-Aカード、CLUB-A ゴールドカード等)に申し込み、審査に通るとJGC会員になることができます。
JGC会員にならないと、『サファイア』ステータスは1年で無効になります。
しかし、JGCカードに申し込み、晴れて会員になれば、年会費を払い続ける限り『サファイア』ステータスのFOPを取得しなくても毎年いつでも『サファイア』ステータスのメリットを得ることができるのです。
なお、『サファイア』ステータスとなるFOPに到達したのに、JGCカードの審査に落とされるとJGC会員にはなれません。
そのため、JGC修行をする前に、JGCカードに切り替え可能なクレジットカードを事前に取得しておくのがベターです(結構重要なポイントです!)。
✔ 50,000FOP到達まで
さて、JGC会員になるためには50,000FOPを1月1日〜12月31日までの間に貯めなければなりません。
FOPはいわゆるマイルとは別に計算される数値で、算出式は以下の通りです。
FOPの計算を自力で行うと面倒ですが、JALが提供しているFOP計算ページがあるので、そこで出発地・到着地・クラス・利用運賃を選択すると、FOP(片道)を出せます。
注意点としては、航空マイルを利用した特典航空券でフライトする場合は、FLY ONポイント積算の対象外となります。
また、JALマイルだけではなく、ブリティッシュ・エアウェイズ等の他社マイルを利用した場合も同様です。
加えて、JAL以外のワンワールドのフライトを利用した場合でもFOPは加算されますが、50,000FOPのうち少なくとも25,000FOPはJALに搭乗したものであることが必要となります。
計算式の最初にある『フライトマイル』は飛行距離が長いほど、そして運賃クラスが高いほどFOPが高くなります。
国内線では普通席よりクラスJ、クラスJよりファーストクラスの方が獲得FOPがアップします。
次に『FLY ONポイント換算率』ですが、利用するエリアによって異なり、日本国内線が最も優遇されており、次にアジア路線が貯まりやすくなっています。
・JALグループ便の日本発着 アジア・オセアニア:1.5倍
・その他の国際線:1倍
最後に『搭乗ボーナス』とは、JALグループ便に搭乗する際、運賃に応じて追加されるポイントです。
JALグループ以外のワンワールド加盟のエアライン搭乗時は対象外となります。
最大400ポイントの搭乗ボーナス FLY ON ポイントを獲得でき、国内線・国際線のそれぞれに対象運賃が用意されています。
大人普通運賃、小児普通運賃、往復割引、JALビジネスきっぷ、eビジネス6、株主割引、身体障がい者割引、介護帰省割引、特便割引1、特便割引3、特便割引7、特便割引21、離島割引、特別往復割引、国際線における航空券のCLASS欄に「F」「A」「J」「C」「D」「X」「I」「W」「E」「Y」「B」「H」「K」「M」「L」「V」「S」と印字されているものなど(※Eはパッケージツアー利用時対象外)
【200ポイント】
特別乗継割引、小児特別乗継割引、身体障がい者特別乗継割引、乗継割引7
2023年4月12日搭乗分以降については以下の通りです。
フレックス、JALカード割引、ビジネスフレックス、離島割引、特定路線離島割引、株主割引
【200ポイント】
セイバー、スペシャルセイバー、往復セイバー
FLY ONポイントはフライトマイルと連動するので、基本的には距離が長く運賃クラスが高いフライトを行う程に貯まります。
また、国内線だと2倍、日本発着のアジア・パシフィック路線だと1.5倍なので、これらが効率的です。
費用対効果を考えると、『料金の割にFLY ONポイントが貯まる』という路線をフライトするのがベターです。
「運賃÷FLY ONポイント』は『FOP単価』と呼ばれており、1FLY ONポイントを獲得するためにいくら支払ったのかを示す指標です。
FOP単価が10円程度だと合格水準で、8円台以下だと効率的と評価されています。
コロナ禍において国際線は時間的にも身体的にも物理的にも制約が大きいため、国内線の長距離で価格が控え目のフライトを予約するのが、効率的にFLY ONポイントを貯める方法となっています。
基本的には国内線は400FOPのボーナスがある特便割引、時として価格が大幅に安い先得割引が有利で、料金のわりにはFOPの獲得数が大きい那覇路線が効率的です。
したがって、JGC修行においては、羽田ー那覇間のファーストクラス往復(1回往復で特便割引だと5,720FOP)、または同区間のクラスJ往復(1回往復で特便割引だと4,144FOP)がオススメとなります。
ただ、ファーストクラスだとFOP単価が高くなってしまう傾向にある+中々思ったフライトを予約するのが困難です。
クラスJやエコノミーも交えながら、10数回往復しなければならず、ここは覚悟が必要になるところです。
僕もJGC修行の時は、2日連続で羽田ー那覇間を2往復するという荒技を行いましたが、結構しんどかったです…
上記の通り、修行だけでJGC会員を目指すのは結構シビアなので、何かの旅行ついでにJGC獲得を目指すのが良いでしょう。
FOP単価10円と考えると50,000FOP貯めるのに50万円かかってしまいますが、単価を7円台まで下げることができれば35万円ほどで到達可能です(ただし、ファーストクラスなどを使うと単価が上がるので、エコノミーで回数を稼ぐのが前提にはなります)。
1度でも海外に旅行した年に、ついでとしてJGC修行を行うのであれば、この費用はもっと抑えることができます。
・フライト回数が少ないほどベター(身体的・時間負担)
もちろん、行きたい地域があればFOP単価は度外視してフライトするのも有力な選択肢です。
海外旅行が趣味の方や出張族の方の場合は、自然とFOPも貯まっていくので、足らず米を埋めるJGC修行の回数も少なくて済見ます。
✔ 費用削減の方法
ちなみに、総額で35万円〜50万円もかけたくないよ!かけられないよ!という方も多いと思います。
実際、僕もここまで費用をかけてまでJGC会員になろうとは思いませんでした。
いくらJGC会員が魅力的とはいえ、イニシャルコストを数十万かけるほどのメリットはないなと考えたからです。
コストを減らす方法は2つあります。
一つは先ほど述べた通り、FOP単価を下げることです。
なるべく割安な路線かつFOP単価の低いフライトを繰り返すことが重要です。
もう一つは、ポイントサイトでポイントを稼ぐことです。
ポイントをマイルに換え、マイルをe-JALポイントに換え、e-JALポイントでフライトを予約することが可能です。
ポイントサイトでは、クレジットカードの発行や飲食店でのモニターなど、複数のポイント獲得手段があります。
(※クレジットカードは月1枚程度の発行頻度にしないと、新規発行ができなくなるので注意してください。)
ポイントサイトはいくつも種類がありますが、あまりに多くのサイトに登録するとポイントが分散されてマイルに変換しきれないリスクや、ポイント単価がサイトによって異なるので管理が大変など、デメリットも大きいので、2〜3サイトくらいに絞った方が賢明です。
オススメは1ポイント=1円の価値でわかりやすい、ハピタスです。
ただし、ANAと異なり、ポイント→マイルへの換算率は悪いです。
従って、ANAのSFC会員の方がポイントを使ってSFC修行に充当できるため、会員数も多いと言えます。
逆に言うと、JALの方がポイントサイトを活用したJGC修行はハードルが高いため(コスパが悪いため)、ライバルの数も少ないと言えます。
実際、ANAのラウンジとJALのラウンジを比べると、人の数に大きな差があります。
ハードルが高いからこそ、ライバルの数も少なく、ラウンジで優越感に浸れるのはJALに軍配が上がると思います。
JGC会員のメリット・デメリットとは?
JGCのメリット・デメリットを解説します。
✔ JGC会員のメリット
JALマイレージクラブの『サファイア』ステータスで上級会員となっても、翌年にはまたそのステータス基準を満たす条件をクリアしなければ、会員ランクは下がってしまいます。
しかし、JGCがあれば、上級会員資格をずっと維持することができます。
『サファイア』ステータスに到達すればJGCの発行基準を満たせるので、その時点でJGCへ入会してしまえば毎年『JGC修行』をしなくても済むわけです。
次に、本人会員がJGCへ入会していれば、家族カードの発行が可能です。
つまり、家族は厳しい『JGC修行』をすることなく、本人会員と同等のサービスを利用できるのです。
JGC会員の最も大きなメリットがラウンジの利用権です。
同じ空港ラウンジであっても、一般の人が利用しやすいカードラウンジとは異なり、JGC会員が利用できるJALラウンジはレベルが違います。
それだけでも、JGCを取得する意味は大きいはずです。
また、JAL以外のワンワールドアライアンスメンバーのビジネスクラスラウンジも利用することが可能です。
そのほか、『サファイア』ステータスのメリットである優先搭乗や特典航空券優先予約など、どの特典もJGC会員には付帯されます。
いずれも、上級会員らしい特別なサービス内容ですので、1年間頑張って50,000FOPを目指す価値は十分にあります。
上述したように、JGCの価値を生かすも殺すもどれだけサービスを活用できるかにかかっています。
せっかく修行という過程を経て取得するのですから、限られた人しか利用できない特別なサービスを活用して、素敵な空の旅を満喫しましょう。
✔ JGC会員のデメリット
先述したように、JGCは簡単に申し込めるクレジットカードではありませんので、取得難易度は極めて高めです。
旅行や出張などで頻繁にフライトを利用している人であっても、普段のフライトにプラスαしなければ達成できませんし、ごくたまにしかフライトを利用しない人にとっては簡単に手が届くレベルではありませんので、取得までの道のりがとても果てしなく感じられます。
次に、JGCの年会費は、最低価格のCLUB-Aカードでも10,000円オーバーです。
もちろん、JAL上級会員が利用できる特別なサービスが付帯したクレジットカードですから、一般カードであってもそれだけの年会費がかかって当然ではあります。
一般カードでも、『たった10,000円の年会費で上級会員向けサービスを利用できる』と、考えればかなりお得です。
しかし、フライトをほとんど利用しないとなると、せっかくのお得をドブに捨ててしまっているくらいの無駄が発生してしまいます。
年会費の価値をどう考えるか、そしてJALのフライトをどれだけ利用するのかによって、その価値にも個人差が生じることになります。高いと感じるか安いと感じるかは、まさに利用者次第ということです。
どんなに魅力的なクレジットカードでも、その特典を使わなければ意味がありません。
これをJGCに置き換えれば、『乗らなきゃメリットがない』ということになります。
『JGC修行』で頑張ってフライトを利用し続け、ようやくJGCを手に入れることができても、手に入れた途端にフライトをまったく利用しなくなったのではJGCの価値を生かせません。
『取得したからもう安心』と考えてしまうのではなく、『取得したからこそいかに特典をフル活用するか?』ということにウエイトを置きましょう。