オイパペマラソンとは？
オイパペマラソン日記①にて詳細説明しております。
✔ オイパペマラソンとは
ロレックスとは、オイパペとは、オイパペマラソンとは、について、第1回の日記でご説明しておりますので、よろしければそちらをご覧ください。
要するに、正規店でなかなかお目にかかることのできない時計を購入するために、足繁くロレックスに通うという過酷なマラソンのことです。
元々、デイトナという超人気モデルを探してマラソンしていたのですが、そちらは既に完走しております。
友人からの依頼でオイパペも『ついでに』探していたのですが、当の友人が途中でリタイア。
よってオイパペマラソンそのものを終えてもよかったのですが、探しているうちに僕自身がオイスターパーペチュアルかスカイドゥエラーを追加で欲しくなってしまったので、自分自身のために走り続けることにしました。
ちなみに、デイトナマラソンについては、全6回の日記を公開しておりますので、よろしければご覧ください。
✔ 僕のマラソンコース
僕の場合、職場と家が近いということもあって、日本橋・銀座界隈の6店舗によく通っています。
・大丸東京店
・日本橋高島屋ウォッチメゾン
・銀座三越店
・GINZA SIXレキシア店
・並木通りレキシア店
また、日本橋も銀座も定期券内なので交通費そのものはかかりません。
世のランナー達の中には、車代や電車賃をかけてまでマラソンする方もいるので、僕はとても恵まれた環境だと思っています。
時計販売「セラー・アンティグランデ」。 ロレックス、オメガ、IWC、パテックフィリップ、セイコーなど、有名ブランド腕時計…
オイパぺマラソン日記⑬完結編
マラソン123日目。
✔ 123日目
ロレックスの人気は留まることを知らない。
もはやニュースにならない日のほうが少ないくらいだ。
テレビ、新聞、雑誌、至るメディアで取り上げられている。
中には強盗や強奪といった物騒なニュースも耳に入ってくる。
そんな中、今回526店舗目にして念願のスカイドゥエラーを購入することができたわけだが、店員さんからはそうした事情もあり『SNS等での拡散は控えて頂きたい』との申し入れがあった。
ご時世柄、当該店舗に迷惑をかけたくはないので、読者の皆様には申し訳ないが店名については伏せさせて頂く。
前回の日記で、一気に22日分の記録を開放した理由が2つあると述べた。
1つはネタがなかなか思いつかないこと。
もう1つは、この完結編を早くお届けしたかったためである。
✔ 終わりの始まり
Everything that has a beginning has an end.
始まりがあるものにはすべて、終わりがある。
マトリックスに登場する預言者オラクルの名言だ。
ロレックスマラソンも然りである。
途中で挫折するもの、あっという間に完走するもの、別のブランドに妥協するもの、並行店に駆け込むもの。
いろんな終わり方があるが、なんにせよ、始まりがあるものにはいずれ終わりが必ずやってくる。
春になりきれない肌寒い雨の滴る平日お昼過ぎのこと。
この日はコロナワクチン接種のため会社に行き、在宅ワークのため帰りがてらふらっと、とある店舗に足を運んだ。
別に予感があったわけではない。
どうせ無いんだろうけれども、ついでだから寄ってみるか。
そんな程度の立ち寄りだった。
店舗に着くと、顔馴染の店員さんが笑顔で迎えてくれた。
店員さん『こんにちは。今日はこれからお仕事ですか？』
僕『いえ、今日はワクチン接種で一瞬会社にいって、これから帰って仕事です。』
店員さん『なるほど。道理でいつもと少し違う時間帯だと思いました。』
僕『まぁどのみち無いとは思うんですけど、何か目ぼしいもの入荷してたりします？』
店員さん『確認してきますので、店内をご覧になってお待ちください。』
バックヤードへの確認はしてくれる方だったので、特にこの時点では期待もしていなかった。
店の中には他の店員さんと談笑する男性客が1名。
店内を見渡しても、見慣れた宝飾系とレディサイズしか陳列されていない。
パヴェダイヤのデイデイト800万円って誰が買うんだろうな、なんてことを考えながら店員さんが戻ってくるのを待った。
少しすると先ほどの店員さんが戻ってきた。
『申し訳ありません、ご紹介できるものは入ってないですね』と申し訳なさそうに言われるのだろうなと予想していた。
ところが、意に反して『1点、ご案内できるモデルがありますのでこちらにどうぞ。』との言葉。
『えっっ！！』
びっくりして思わず大声を出してしまった。
しかし、この時点でもまだ、スカイドゥエラーが出てくるとは夢にも思わなかった。
✔ 脇机でのご対面
店員さんに促され、着席したのは個室ではなくオープンスペースの脇机の椅子だった。
つまり、他の客からも見える位置ということになる。
ということは、レアなモデルではないのではないか。
シンプルなデイトジャストか、ミルガウス、黒白銀あたりのオイパぺかな？なんて思いながら席に着いて妄想を膨らませた。
しばらくすると店員さんがトレーに布を被せて時計を運んできた。
店員さん『ドキドキしますよね（笑）ご希望に沿うと良いのですが…こちらです。』
そう言って店員さんは笑顔で布を取り払い、青文字盤のスカイドゥエラーSSが姿を現した。
123日目、累計526店舗目にして初のご対面となった。
ブライトブルー文字盤。
ホワイトゴールドフルーテッドベゼル。
ジュビリーブレスレット。
まさかまさかの第一希望モデル。
デイトナの時もそうだったが、同じく夢でもみているような気分で、鳥肌が立っていた。
✔ 遂に購入
デイトナの時と違って、心のどこかでスカイが出てくるかも、と思っていたのかもしれない。
今回はデイトナの時ほどの混乱はなく、記憶も鮮明だ。
僕『●●さん、スカイ、本当にいいんですか！？』
店員『もちろんです！ぜひ試着してみてください！』
そういって手鏡を用意してくれた。
実際に装着してみると、デイトナと比べて若干大きく、厚みもある。
しかし、それでいて精巧さとエレガンスを兼ね備えており、雑な感じは受けない。
フルーテッドベゼルにジュビリーブレスがよくマッチしていて、高級感も絶対だ。
僕『個室に案内頂けなかったんで、デイトジャストあたりかなーなんて思ってたんですが。まさかスカイをご案内頂けるとは思いませんでした。ぜひ購入させてください。』
店員『個室にご案内するかどうかはその時の混雑状況にもよりますので、制限モデルだから個室、ということでもないんです。実際、デイトナを脇机で販売させていただいたこともありますし。念のため精度チェックに出してきますので、少々お待ちください。』
そういって、店員さんはスカイを布に被せてバックヤードに消えていった。
待っている間、デイトナを再装着して手鏡を見る。
こいつには長い間ずっと稼働してもらったな、これからは隔日で使用させてもらうぞ、なんてことを思いながら、店員さんが戻ってくるのを待った。
店員さんが戻ってきた。
店員さん『精度チェックも特に問題ありませんので、決済させていただければと思います。お支払いはいかがされますか？』
僕『はい、カード一括でお願いします。』
店員さん『畏まりました。』
そういって端末を手にカード決済が行われた。
170万円強、アニュアルカレンダー搭載のモデルとしては破格だ。
他のブランドではこの価格は出せない。
ロレックスで一番複雑な機構を有する希少なモデルを遂に購入することができるのだ。
店員さん『それでは使用方法についてご説明させていただきます。実はスカイドゥエラーを販売するのが私初めてでして…拙い説明でしたらすみません。』
なんと、デイトナの時と同じく、僕が初めてのスカイ販売客とのことだった。
そういう店員さんに縁があるのだろうか。
たまたまだと思うが、ちょっと心の中で嬉しさが込み上げてきた。
スカイドゥエラーは複雑なモデルだ。
ベゼルが3段階回転でき、各段階ごとにリューズを回転させると別の個所が動く。
1段階はセカンドゾーンの調整、1段階は短針の調整、1段階は長針の調整、といった具合だ。
2月以外は月の変更を自動で読み分けてくれる。
カチカチといろんな箇所を動かすことができ、いじり甲斐のあるメカだなと思った。
僕『コマ調整はお願いできますか？』
店員『もちろんです。1コマ分だけ外せば丁度良さそうですね。』
そう言ってスカイドゥエラーは一時退出し、コマ調整されることになった。
しばらくするとスカイが戻ってきた。
店員さん『お客様の方でも最後に傷がないかなど、ご確認ください。わたくし共のほうでも確認しましたので問題ないとは思いますが。』
僕『わかりました。あれ、裏蓋のこの緑の部分は？』
店員さん『失礼しました、養生テープの剥がし漏れですね。』
そんな1コマもありながら、テープが剝がされて輝きを増し、自分の腕にしっくりくるブレスレットとなったスカイドゥエラーが僕の手元にやってきた。
僕『スカイドゥエラーだと大きい箱になるのかなと思ったら、デイトナと同じサイズなんですね。』
店員さん『私もLサイズの箱だと思ってたんですが、スカイもコンビからがLサイズのようでした。Lサイズの箱が無かったのでちょっと焦りました。』
最後に重要事項説明とその説明を受けた旨の署名を行った。
店員さん『最後に、ギャランティカードに今日の日付を捺印してきますね。スカイドゥエラーはいかがしましょうか？そのまま着けてお帰りになりますか？』
僕『いえ、せっかくなので包装して頂いても良いですか？』
店員さん『畏まりました、少々お待ちください。』
✔ 退店
少しの時間をおいて、ラッピングされたスカイドゥエラーが戻ってきた。
外は雨模様なので、カバーがかけられている。
店員さん『何かと物騒な世の中ですので、この店舗で購入できたことはSNS等で拡散頂かないようにお願いできますか？』
僕『心得ております。』
そういって店舗出口までエスコートされた。
店員さん『またスカイドゥエラーを着けていらしてください。』
そういって笑顔で見送られた。
僕『はい、また顔を出しに伺います。』
深々と一礼してショッパーを受け取り、店舗を後にした。
オイパぺマラソン考察
結論はデイトナマラソンから変わりありません。
✔ 今後のこと
ということで、なんとかスカイドゥエラーを購入することができた。
しかし、累計で123日、526店舗もかかることになるとは夢にも思わなかった。
オイパぺはシンプルな機構なので、数量も多く、ライバルも比較的少ないと勝手に想像していたのだが、決してそんなことは無かった。
デイトナは購入制限モデルで一人原則1本しか購入できないし、SSモデルは定期的に月2本くらいの入荷はあるらしいから、デイトナのほうがひょっとしたら購入しやすい面もあるのかもしれない。
途中までは友人の依頼で始めたオイパぺマラソンであったが、結末は自分の為に走り続ける過酷なランニングとなった。
何度も足を運ぶうちに、カタログを眺めるうちに、オイパぺよりもスカイドゥエラーのほうが欲しくなり、希望モデルの移行もあった。
青サブやミルガウス、エクスプローラーⅠコンビモデル等も視野に入れていたのだが、最後は第一希望のスカイドゥエラー、しかも青文字盤・ジュビリーブレスという、これ以上ないモデルを購入させていただくことができた。
今後もロレックスにはちょいちょい顔を出そうと思う。
3月末のWatches & Wondersで新作の発表もあるだろうし、新しいカタログも楽しみだ。
もしも今回オイパぺが購入できたら、スカイマラソンを続けていたと思うが、スカイが手に入ったのでしばらくはオイパぺは見知らぬ誰かに譲ろうと思う。
次の購入モデルは、最新のカタログが手に入ったところでゆっくりと考えよう。
ステンレスのトップ2が手元にあるので、朧気ながらいよいよ次は金無垢かなと思っている。
✔ ロレックスマラソンについて（再考）
ロレックスマラソンにまつわる巷の噂の数々や、購入に至るまでのコツについては、デイトナマラソンでまとめたものから特に変わりはない。
兎にも角にも頻繁に足を運ぶことに尽きる。
詳細については、以下の記事が参考になると思うので、よろしければご参照頂きたい。
✔ 読者の皆様へ
これまで全13回にわたってお届けしたオイパぺマラソン日記も今回で終了となる。
どれだけの方にご覧頂いたかは定かでないが、少しでも多くの方の暇つぶしになってくれていれば幸いだ。
Twitterでの報告の際には、本当に数多くのいいね、コメント、リツイートを頂いて感謝している。
本来であれば1つ1つに返信したいところだが、この場を借りて御礼申し上げます。
最後に、デイトナマラソン日記でも述べた通り、これからロレックスマラソンを行う・行なっているランナーの皆様には、この日記がバトンとして手に渡り、少しでも役立つことを祈っております。
