転職のメリット・デメリット【メガバンクに転職した経験者が実体験を語ります】

 
転職を考えるサラリーマン『金融機関に転職して給料をあげたい…でも転職にリスクやデメリットはないのかな?今の会社に留まることと比較してどっちのほうが自分にとって有益なのだろう?転職を経験した人の実体験を聞きたいな。』

 

銀行への転職におけるメリット・デメリット、実体験でお話します。

 

この記事の内容

 

・おカネに関するところはデメリットが小さい
・逆におカネ以外に関するところはデメリットが大きい
 

 

僕は、銀行から銀行に転職をした経験を持っています。
証券会社とか生損保から銀行、あるいはその逆、といったように、金融業界内での人材移動は結構あるんですが、僕のように同一職種間の転職事例は意外と少なかったりします。

 

転職のメリット・デメリットはひとそれぞれだと思っています。
僕のような転職を目指す方は少ないと思うので、実体験で語るものの、参考になる部分は多くはないかもしれません。
しかし、銀行員を志望する方にとっては有益な情報もあると思います。

 

転職について書かれている多くのサイトを見ると、一般論が多くて参考にならないなと感じます。
しかも似たり寄ったりのことが書かれているケースも多いですしね。
よく書かれるメリット・デメリットのウソ・ホントもあわせて話をしたいと思います。

 

 

おカネに関するところはデメリットが小さい

 

特に退職金が下がる、とよく言われますが、そんなに影響ないと思います。

 

 転職で退職金は減るの?

 

退職金は『勤続年数が短いともらえる金額が減る』とよく書かれます。
会社にもよりますが、これは半分ホントで、半分ウソです。

 

退職金は、勤続年数に応じて決まります。
ざっくり言うと、『勤続年数に応じた掛け目』×『累積の給料に応じた退職金』という感じです。

 

『勤続年数に応じた掛け目』というのは、勤続年数が短いと退職金が満額もらえなくなる掛け目です。
短いほど小さくなり、だいたい25年~30年くらい、または定年を迎えると掛け目が1、つまり満額もらえることになります。
要するに、『長く勤めてくれ』という会社からのメッセージですね。

 

『累積の給料に応じた退職金』というのは、その会社で今まで稼いだ合計の給料によって決まる退職金の額面というイメージです。
退職金は『給料の後払い』的な性質があります。
日本は一つの会社にずっと務めるのが社会常識なので、勤めている間は給料が(欧米とかに比べると)低い代わりに、引退後の生活は面倒見るよ、ということですね。
つまり、現役中に『どれだけ稼いできたか』によってもらえる退職金も変わってくるわけです。

 

さて、転職をする場合に退職金がどうなるか。
例えば7年目くらいで転職した場合は、ほとんど退職金に影響はないというのが雑感です。
なぜなら、7年目までの『累積の給料に応じた退職金』は、若いときにもらった低い給料でしかなく、そこまで累積ポイントを稼いでいないからです。

 

当然、『勤続年数に応じた掛け目』も低いので、転職前の会社からもらえる退職金はスズメの涙ほどになります。
逆に、転職後の会社は高い給料水準からスタートするわけで、転職した場合としない場合での『累積の給料に応じた退職金』に大きな差はでません。
転職後の会社も定年まで勤める前提にたてば『勤続年数に応じた掛け目』は1になりますので、影響はありません。
むしろ転職後に昇進・昇給をして給料水準を上げた方が、退職金も高くなる仕組みと言えます。

 

7年目よりももっと前に転職したら、より影響はないですね。
逆に、10年目とか、15年目になってくると、この効果が逆転してくるので、生涯年収を考えるうえでは注意した方がよいかもしれません。

 

 

 ボーナスの話

 

ボーナスについては転職は完全にデメリットです。

 

ボーナスは給料の後払いです。
例えば、4月~9月の仕事への対価として、12月にボーナスが支給されます。

 

もし、7月に退職したとしましょう。
その年の4月~7月までは転職前の会社で働いているので、12月にボーナスがもらえるべきなのですが、7月に退職してしまっているので、もらえないケースがほとんどです。
しかも、転職後の会社では、8月~9月までしか働いていないので、12月にもらえるボーナスは2か月分だけとなります。

 

もっとも不利なケースは、上記の例だと11月に退職した場合ですね。
前の会社は4月~9月までフルで働いたのに、その対価は12月に受け取れず。
かつ転職後の会社は12月から勤務開始なので、次にもらえるボーナスは来年の6月、しかも12月~3月までの4か月分になります(´;ω;`)

 

僕の場合は、ボーナス支給月に退職し、前2か月くらいは適当に仕事することで被害を最小限に抑えました(笑)

 

 

 残業代の話

 

超細かいことですが、ここからは経験談です。

 

例えば10月末で退職した場合、10月の給料と11月の給料はどうなると思いますか?
多くの会社の場合は、10月は基本給+残業代、11月は残業代のみが支給されます

 

実は、基本給は『前払い』、残業代は実績に応じた『後払い』なんです。
入社したときを思い出してみて下さい。(就活生は想像で)
4月に入社し、給料日は4月20日、このとき、4月は1か月間まるまる働いてないけど、給料は1か月分満額払われていたはずです。
このように、基本給は『その月は末日まで働いてくれるはず』という仮定のもとで、会社が事前に支給してくれていることが多いです。
一方で残業代は『どれだけ残業したか』で金額が変わるので前払いはできず、1か月後の給料日に実績値を反映させることになります。

 

さっきの例だと、10月は1か月働いたから11月に給料は支払われますが、残業代だけとなるので、目を疑うような低い金額が通帳に書かれることになります。
ひょっとして退職する自分への当てつけか?と、器の小さな僕は思ってしまい、今では恥ずかしい限りです。

 

 

逆におカネ以外に関するところはデメリットが大きい(※ひとによります)

 

今まで支えてくれた人と一緒に仕事ができなくなることが、ひとによってデメリットであり、メリットでもあります。

 

 人間関係の再構築が必要

 

銀行の仕事は一人でできるものはほとんどありません。
なんにしたってチームやグループの一員として働くことになります。

 

今の会社で働いてきて、築き上げた人間関係や信頼関係があるはずです。
例えば、仕事を教えてくれた先輩、飲みに行ってバカ話をした上司、自分を慕ってついてきてくれた部下…
他部署のこのひとだったらこんな話をしやすいな、といった肌感覚も、実は知らぬうちに自分のなかに出来上がっているものです。

 

転職するということは、基本的にこれらの人間関係をリセット=再構築することになります。
これは、ひとによってデメリットでもあり、メリットでもあります。
僕の場合は、大きなデメリットでした。
なぜなら、これまでの人脈は自分のなかで結構大きな財産になっていたから。
そして、人見知りで、新たな人間関係を築き上げる自信がなかったから。
それでも転職を決断した理由は、、、別の記事で紹介したいと思います。

 

世の中にはもっとドライに考えられるひともいると思います。
また、既に今の会社の人間関係が漏れなく崩壊してしまっているひともいると思います。
そのような方は、人間関係の問題は頭を悩ませることはありません。

 

 

 ローンやクレジットカードの発行に影響は?

 

転職まもないと、ローンの借り入れやクレジットカードの発行がしにくい、というネット記事も見かけます。
これについては、銀行に転職した場合は特に気にしなくてよいと思います。

 

というのも、僕の場合、転職した直後にクレジットカードを複数枚申し込みましたが、素通りだったからです。
また、転職した直後に住宅ローンを申し込みましたが、素通りだったからです。

 

既に借り入れが多いとか、転職が超頻繁にあるとかだと影響があるかもしれませんが、むしろ銀行に転職した=これからは安泰、とポジティブに捉えられる可能性のほうが高いように思います。

 

 

 退職と転職に関する手続きが煩雑

 

これがなんといってもデメリットです。

 

まず、退職時の話。
会社に対して数か月前に退職の意向を伝える必要があります。
おざなりの引き留めや人事面談、同時並行で年金・退職金の移行手続きなど、社内の身辺整理に相当の時間を費やします。
面倒な場合は、最近流行りの退職代行サービスに頼んでしまうのも良いでしょう。
このあたりの実体験は別の記事でご紹介します。

 

転職した後も大変です。
年金の移行、研修の数々、歓迎会、菓子折り持って挨拶、、、
このあたりの実体験も別の記事でご紹介します。

 

 

メリットとデメリット、どちらが大きいですか?

 

いかがだったでしょうか。
結局のところ、ひとによって転職のメリット・デメリットを天秤にかけて、どちらに重きを置くか、これ次第だと思います。
人生とは常に取捨選択です。

 

この記事ではごく一般的な注目すべき項目をあげましたが、他にもいろいろと着眼点があります。
自分の中で、転職によって得られるもの、失うものを想定し、天秤にかけてみましょう。
得るものが大きいと思うなら、金融機関への転職をオススメします。

 

 

銀行員パパブログ

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