メガバンク退職の経験談を時系列でお教えします
実際にメガバンクからメガバンクに転職した経験談をお話します。
✔ 本記事の内容
・内定時の再就職時期調整
・勤務先への転職報告から退職まで
転職者の数は、近年増えてきたとはいえ、まだまだ日本においては一般的ではありません。
リクナビNEXTの調査によると、50代でも過去に転職した回数0回の割合が3割以上です。
20代になると、転職したことがある人の割合がわずかに24%です。
つまり世の中に転職した経験談はそこまで身近ではないことになります。
銀行員は給料も良く、そこまで極端に離職率が高いわけでもないので、銀行員の退職談となるとさらに数は限られると思います。
転職活動を実際に行っている方でも、本当に内定が出たらどうなっていくのかを具体的にイメージできている方は少ないのではないかと思います(もちろん、2回目以降の転職者は除きますが・・・)。
少し記憶があいまいな部分もありますが、退職前後の主な出来事を、時系列で解説していきます。
転職活動開始から内定まで
兎にも角にも内定が出ないことには始まりません。
✔ エージェントとの面談
転職した方がいいかもな、と思ってからすぐに、まずは転職エージェントの登録を始めました。
僕の場合は、リクルートエージェントを登録しました。
一番名前を聞いたことがあるし大手だから、というくらいの理由です。
自分の経歴や特技、資格、転職希望の業界・具体的な会社等、登録にも骨が折れます。
登録が済むと、エージェントの担当からメールか電話で連絡が来ますので、面談のアポイントを入れます。
エージェントの方も仕事なので、土日にお会いすることができるケースは多くありません。
僕の場合は、平日のお昼休みや、早帰り日の夜にアポイントを入れました。
エージェントとの面談では、登録内容の確認や、なぜ辞めたいのか、どんな会社に転職することをイメージしているのか、等のカウンセリングが行われます。
登録時に入力した転職希望先のイメージに近い案件も持ってきてくれますが、最初の面談で方向性や認識にズレがあれば、それに叶った案件を別途メールなどで連携してくれます。
『なぜ辞めたいか』『転職すればそれが解決するのか』などといった根本的な動機を聞かれると、『本当に転職すべきなのか』を考えるいいきっかけになります。
エージェント側としても、本当は転職するニーズのないクライアントに対して本気で相手していたら仕事が回らないので、初回の面談で転職活動の補助を進めるべきか進めないべきかを峻別していると思われます。
✔ 企業との面談
エージェントから提示された案件を見て、実際に面談や話を聞いてみたい先があれば、その旨をエージェントに伝えます。
書類審査で落とされることもありますが、通過すれば面談をセッティングしてもらえます。
面談日時は、エージェントとの面談同様に、平日のお昼か夕方~夜にかけてが多くなりがちです。
僕の場合は、初めから本命があったので、面談慣れのためにも別の会社の面談をとりあえず受けてみるところからスタートしました。
エージェントからの勧めや、本命の書類審査がなかなか進まないこともあって、結局は本命以外の会社を2社受けましたが、それきりです。
このあたりについては、コチラの記事も参考にしてみてください。
転職検討中でエージェントを探しているひと『金融機関や銀行に転職を考えているけど、転職エージェントはどこを使うのがいい…
大抵の場合、1回の面接で終わるということはなく、まずは現場部署の管理者と、2回目は人事担当と、3回目は人事管理者(部長や役員)と面談して、ようやく内定という感じです。
1社でこれなので、働きながら複数社受けるのはかなり負担感があると思います。
僕の場合、本命の会社の面談が最初から企画セクションの担当だったので、人事担当の面談に行く前に『現場部署の管理者と面談させてほしい、現場の人柄を知りたいから』と伝えて、余計に1回面談を増やしました。
転職は即戦力確保の土俵なので、会社側も自分も、ニーズがマッチすることをそこそこ確認したうえで転職しないと双方が不幸になりますから、お互いに距離を縮める努力は必要だと思います。
エージェント登録から内定獲得まで、僕がかかった時間はおよそ3か月ほどです。
最初から本命いっぽんに絞っていればもっと早まったとは思います。
1社の採用面接で3回ほど必要で、面談→合否検討→通知→次の面談のアポ、という流れを考えると、1週間に1回面談できればいいほうだから、最低でも1か月はかかると思ってください。
エージェントとの面談から会社の面談までの期間も、2週間程度はかかると思った方がよいです。
内定時の再就職時期調整
内定が出るときに、『いつうちに来てくれるか』と聞かれます。
✔ 転職先の会社の思考
転職先からすると、即戦力としての期待を込めてあなたに内定を出したわけです。
なるべく早くに自分の会社に来てほしいと思っています。
ただ、人事上の問題で、採用できる日が決まっていることが多いです。
そのため、特定の月だと転職ができないこともあります。
✔ あなたの思考(今、会社に勤めている場合)
あなたとしても、基本的にはなるべく早く退職したいと思うでしょう。
ただ、今勤めている会社をすぐに退職できるとは限りません。
引き留めや引継ぎ、年金等の各種手続きにもそれなりに時間を要するため、極端な話『明日退職します』とは言えないしできないわけです。
なので、今の会社の上司や人事との調整が必要になります。
ところが、転職先の面談で『いつなら転職できるか』と問われても、そもそも転職活動の事実を話していないわけだから、わかるわけもありません。
そのため、面談の時には『3か月後であれば確実とは思うが、転職の旨を上司に伝えたうえで感触を別途連絡させていただく』旨を伝えるに留めた方がよいと思います。
転職先の会社もバカではありません。
このような事情はよく分かっています。
むしろ空返事で『来月には行けます!』と意味のない強がりを聞くと不安に思うことでしょう。
✔ 退職にかかる時間はどの程度見ればよいか
これはいろんなサイトにも根拠のない数字が掲載されていますが、最低2か月くらいと思った方がよいと思います。
また、有給が残っている場合には、退職前に一括で使うことが可能なので、例えばそれが1か月=20営業日分残っているならそれも見越したうえで3か月前には上司に伝えた方がよいと思います。
僕の場合は、退職の3か月前に上司に伝え、もともと想定通りのスケジュールで退職することになりました。
勤務先への転職報告から退職まで
いよいよ退職が本格化します。この頃になると、心が軽い気持ちになります。
✔ まずは転職する旨を上司に伝える
上司に『転職先は決まっていて3か月後に退職します』と伝えると、(まともな上司なら)人事に話がいきます。
人事からは、とりあえず指定された退職日を前提に、年金や各種届出などの手配が少しづつ行われます。
大抵の場合、こういった手続きを行う職員はクソみたいなひとが多い気がします。
退職していく人に手厚い待遇をさせる必要はないから、担当者も最底辺をあてがっているのだと勝手に思っています。
もし上司がまともでなく、取り合ってもらえないような場合は弁護士法人が運営する退職代行サービス「退職110番」などを使うのも手です。
人事上の手続きと同時に、部内では部長などから経緯や引き留めの面談が入ります。
これは、本当にあなたに残ってほしいから、というわけではなく、実際には人事から辞めさせないように努力することが通達されているからに他なりません。
転職する強い意志があるのであれば、ここで翻らないようにしましょう。
現場では引継ぎの話がなされます。
辞めていく身としてはどうでもよいと思ってしまうところですが、まぁ最後に有給をまとめて消化できるからいいか、くらいに気楽にやりましょう。
どうせ数か月後には辞めるんですから。
✔ スケジュールの詳細を詰める
あなたの転職意思が固いと思われれば、スケジュールの詳細を詰めることになります。
人事上、2か月程度を守っていれば特にうるさく言われることはないでしょう。
退職は会社の承諾が必要なわけでもないので、あなたの希望が基本的にかなえられることになります。
例えば3か月後に退職するつもりだ、と伝えてあれば、それに向かって引継ぎ等のスケジュールが組まれます。
最後に有給を消化する希望を伝えておいた方がよいでしょう。
それを前提にスケジュールが組まれますから。
今勤めている会社との間で、ある程度退職のスケジュールが決まったら、転職先への連絡を行います。
もしも現会社との間で退職時期についてもめるようなことがあれば、それも早めに転職先に伝えましょう。
✔ 最後に
最後に人事との面談があります。
僕の場合は、『転職しても、転職先では今と同じような評価が保証されるわけではない』などと、残留を勧められました。
ただ、これも部長面談と同様に、なるべく退職者を出さないようにするマニュアルに基づいたものなので、転職する強い意志があるのであればここで翻らないようにしましょう。
もろもろ手続きが終わり、引継ぎも一服すればあとはやることはありません。
退職日または有給消化の前の最終出勤日までフラフラしていればよいです。
今までお世話になった人への挨拶なども済ませます(もちろん、今の会社に恨みつらみがある場合には無理にとは言いません)。
銀行の場合、異動のときには部内で挨拶の機会が与えられますが、転職などの自己都合退職の場合にはそれが与えられません。
これは組織として冷たいなと思う一方で、辞めたくて辞めるのは自分だしな、という納得感もあります。
組織が嫌で辞める場合でも、そうではなくキャリアアップのために辞める場合でも、社内にお世話になったひとが少なからずいるはずなので、一言菓子折りでも持ってお礼に行くのがサラリーマンとしての務めかな、と僕は思います。