【銀行員の勤務体系】通常勤務、フレックス勤務、裁量労働勤務の違いについて解説

  • 2020年10月21日
  • 2023年10月18日
  • Banker
 
銀行に就職を考えているひと『銀行員が意外と残業が少ないのは分かったけど、そもそもどんな勤務体系があるんだろう?出社時間とか退社時間がフレキシブルに動かせるような働き方もあるんだろうか?実際に現場で働いている人に教えてほしいです!』

 

こういった疑問にお答えします。

 

銀行員の勤務体系についてお教えします

 

メガバンクの勤務体系について解説します。

 

 本記事の内容

 

 

・通常勤務
・フレックス勤務
・裁量労働制

 

 

コチラの記事で解説した通り、現代の銀行員は深夜まで働かされるような環境ではありません。
むしろ『〇時までには帰れ』と、退社を強制されるような会社です。

 

 

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そんな中で、銀行員にはいくつかの勤務体系があります。
みんなが一律に、朝8時50分までに出社して、夕方17時10分に退社しなければならない、というわけではありません。
部署ごとの業務内容に応じて、それに適した勤務体系が決められています。

 

例えば、法人顧客と相対する部署があったとします。
顧客も日本の法人ですから、一般的に考えてほとんどの企業が朝9時くらいに業務を開始して、夕方17時くらいに終業時間になりますね。
お客さんがこのような時間で働いているならば、自分たちも当然、同じような時間帯をコアにして働かないと、お客さんとコミュニケーションがとれません。
なので、こういった部署(主に営業=RMと呼ばれる部署)は『通常勤務』の勤務体系になっています。
通常勤務がどのような勤務体系かは、後述します。

 

その他の例として、ファンドマネージャーを考えてみましょう。
他人から預かった資産を株式や債券に投資し、良いパフォーマンスを上げることが責務です。
また、パフォーマンスがよければいろんな企業がお金を預けてくれることになり、預かり資産残高の拡大にも寄与します。
このような運用セクションは、働いている時間が多いか少ないかは特に重要ではなく、運用成績という定量的な結果が求められます。
こういった部署は、『裁量労働制』の勤務体系がとられることがあります。
裁量労働制がどのような勤務体系かは、後述します。

 

このように、部署の業務内容によって勤務体系が少し変化する可能性があるのが銀行・金融業界です。
多くの部署・銀行員は『通常勤務』になるのですが、一部の社員は『フレックス勤務』や『裁量労働制』が適用される可能性があります。
あなたが就職・転職を考えるうえで、自分が行きたい部署・事業がどのような勤務体系であるかは、事前によく確認した方が良いと思います。

 

 

通常勤務

 

最も一般的な勤務体系です。

 

 勤務体系の説明

 

通常勤務は、毎日の定時が定められている勤務体系です。
最もオーソドックスで、大抵の場合、始業は8時40分、終業は17時10分に設定されています。
日本企業の多くが、大体同じような勤務時間になっているので、それに合わせているというわけです。

 

朝8時40分に間に合わなければ遅刻扱いになります。
また、体調不良などで17時10分よりも前に帰る場合には、早退扱いになります。

 

毎日8時40分から17時10分までがコアタイムとして設定されるので、それを超える就業時間は全て残業扱いになります。
有給休暇を取得した場合は、その日は定時の間だけ働いたと見なされます。
月間の残業代は、単純に出社日のコアタイムを超える部分、となるわけです。

 

 

 適用される部署

 

銀行の中でも、7~8割の部署が通常勤務と思って差し支えありません。
顧客と交渉するRMやフロント部署、事務を扱うミドル・バック部署も基本的に通常勤務です。
これらの部署は、在籍する社員がみんな同じ始業時間・退社時間になるので、朝会や夕礼等が実施される部署も多いと思います。

 

一つ留意点があって、管理職以上になるとこれらの部署でも裁量労働制が適用されることがあります。
管理職になると、部・チームとしての結果にコミットする立ち位置になるので、通常勤務でバリバリ働いて残業代ががっぽがっぽ、というわけにはいかないわけです。
裁量労働制については、後述します。

 

 

フレックス勤務

 

少し先進的ですが、結局のところ運営は通常勤務と同じです。

 

 勤務体系の説明

 

フレックス勤務は、毎『月』の所定勤務時間が定められている勤務体系です。
各人の毎月の勤務時間最低ラインが定められているだけなので、何時に出社しようが、何時に帰ろうがお構い無しです。
ただ、『20時に出社して翌朝8時に退社しました』という社員ばかりでは、管理が行き届かないため、『最低限、この時間帯だけは就業していましょう』というコアタイムが設けられています。

 

コアタイムは、三六協定で各社ごとに定められています。
多くは、10時~15時くらいに設定されていることが多いと思います。
通常勤務の場合、定時での就業時間が7時間半だとすると、フレックス勤務は3時間半を前後で埋めなければなりません(昼休みを1時間としています)。
朝早くに働きたい人の場合は、6時半よりも前に出社して15時に帰ることもできますし、逆に10時出社して18時半以降に退社しても問題はありません。
ただ、毎日10時~15時しか就業していないと、月間の最低労働時間をクリアできなくなり、減給扱いとなります。
残業時間は、月間で所定労働時間を超える部分が対象になります。

 

すごくフレキシブルな勤務体系で、働きやすいなと思うかもしれません。
ただ、実際には、ほぼ通常勤務と同じ運営がなされていることが多いというのが実感です。
僕が前に在籍した部署も、部としてはフレックス勤務制だったのですが、実態としては毎朝始業時間までに出社している必要があったので、実質的に通常勤務と同じでした。
社員一人一人にとっては柔軟な働き方を可能にする制度ではあるものの、管理する側からするといつだれが何しているのかを把握しづらく、あくまでも『困ったときのバッファー』としてフレックス勤務を適用している部署が多いのではないかという印象を持っています。

 

 

 適用される部署

 

適用される部署は少ないです。
たとえば商品開発や、顧客折衝・内部管理を伴わない専門部署が該当するかと思います。

 

かつて僕が在籍したのはプロダクト関連の部署で、顧客折衝を伴いましたが、専門的な部署ということでフレックス勤務制を勝ち取っていました。
しかし、前述の通り、実態としては通常勤務と同じように毎朝定時出社が求められていて、何かあったときにコアタイムだけ出社してその他を柔軟に対応、という例外扱いになっていました。
管理職の立場からすると、フレックス勤務制を勝ち取りながら、あくまでも運営は通常勤務にしておいたほうが、部門運営の観点ではやりやすいという考えがあったように思います。

 

 

裁量労働制

 

このご時世、最もオススメしません。

 

 勤務体系の説明

 

裁量労働制は、毎月の残業扱いを固定で決められている制度です。
つまり、毎月200時間働いても、300時間働いても、残業代は30時間分だけ出します、という制度です。
コアタイムは基本的に通常勤務と同じように設定されているケースが多いと思います。

 

裁量労働制は、ポジティブに捉えると、毎月120時間(=毎日6時間)しか働いてなくても残業代は30時間分出るということで、優秀で短時間に仕事をこなせるならばこれほどオトクな勤務体系はありません。
が、もちろん現実はそうはいかず。
チームに与えられた業務を、自分がすごい優秀で短時間で終わらせると、他の社員の仕事が標準化のためにアサインされ、結果として早く帰れない、という事態が起こりがちです。
むろん、他人の仕事までこなしているのだから評価してくれれば(給料に反映されれば)いいのですが、裁量労働制だと働いた時間はもはやなんの意味も持ちませんし、昇格の観点で言っても、Aという仕事とBという仕事に必要な業務量と対価を定量的に推し量ることは事実上不可能です。
結局、みんなが回りの目を気にしながら、忙しいフリをしたもの勝ちの制度、というのが僕の評価です。

 

 

 適用される部署

 

本部企画セクションに多く適用されると思います。
非管理職にまで適用されるかどうかは、会社によって濃淡があると思います。
もしあなたが若手として銀行に就職・転職を考えている場合、希望する部署が裁量労働制だとマイナスだと考えた方が良いと個人的には思います。

 

また、管理職はどの部署であっても裁量労働制が適用される可能性があります。
裁量労働制だからといってすべての社員がアホみたいに働いているというわけではありませんが、ワークライフバランスを重視するのであれば、希望する会社・部署の職務実態はよくよく確認してみることをオススメします。

 

なお、働きすぎることが悪だとは思っていません。
働くことで得る満足感や充実感、達成感というものを否定するつもりはありません。
あなたがどのように働いていきたいか、それをよく考えたうえで、上記を参考にしてみて下さい。

 

 

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