この記事の内容
・サービス残業の実態
・実際の残業時間
僕は現役の銀行員です。
某メガバンクに勤めています。
銀行は圧倒的に給料がよい職業の一つです。
昇格がスムーズにいくなら、30代前半で年収1,000万円は超えられます。
金融機関に勤めて年収アップを目論むひと『金融機関、特にメガバンクなんて給料が高いってよく聞きます。平均年収ランキング…
でも、サービス残業が多いとしたら、時給換算では割を食うかもしれないですよね?
それに、ワークライフバランスを重視したいひとにとっては、残業代はいらないからなるべく早く帰りたいとか、適度な残業時間で仕事終わりにも自由な時間がもちたい、と考えるひとも多いと思います。
僕もそんな一人でして、妻も銀行員だから世帯年収は2,000万円くらいあってお金には困らないし、子供との時間を持ちたいからさっさと帰りたいと常々思っています。
メガバンクの銀行員が、実際にどの程度残業しているのか。
サービス残業はあるのかどうか。
そもそも『残業』を正しく理解するところから解説していきます。
『残業』の定義
まずは『残業』を正しくとらえましょう。
✔ 法定時間外労働=残業
所定労働時間という言葉があります。
労働基準法で定められている労働時間の限度のことを指します。
原則として1日に8時間、1週間に40時間と定められています。
銀行ではお昼休みが1時間設定されています。
なので、朝8時40分が始業だとすると、所定労働時間+お昼休み=9時間、会社にいることになります。
つまり定時は17時40分となる、わけではありません。
実は、『法定時間内労働』という言葉もあります。
これは、所定労働時間のうちに含まれるけど、定時を超えた部分を指します。
例えば、定時が17時10分だとすると、毎日17時10分に退社は可能ですが、17時40分まで働いた場合の超過部分30分間は『法定時間内労働』に該当するわけです。
世間的にいう『残業』というのは、所定労働時間を超えた部分を指します。
つまり、先ほどの例だと17時40分以降に働いた時間が『残業』に該当するわけです。
もしあなたが転職の採用面談を受ける際、残業時間がどの程度か聞きたかったら、『法定時間外労働は月あたりどの程度ですか?』と正確に聞かないと、認識にズレが生じる可能性があります。
注意しましょう。
✔ 三六協定の存在
この『法定時間外労働』に関しては、『三六協定』という制約がついて回ります。
三六協定とは、労使間の取り決めのことで、休日勤務や勤務時間についてのルールが定められます。
会社ごとの労使間で取り決めされるので、会社によって多少異なります。
ただ、メガバンクの場合にはほとんど内容は同じです。
三六協定では、法定時間外労働を1か月に40時間までとし、申請すれば80時間まで延長が可能です。
また、1年の法定時間外労働については320時間までとし、申請すれば720時間まで延長が可能です。
このあたりの数字はメガバンクごとにまちまちかもしれませんので、ざっくりした数字を載せています。
法定時間外労働の延長を申請する場合には、必要な理由等を記載したうえで組合と上司・人事部が合意できなければ認められず、安易な延長はできないと思ってください。
✔ 退社時刻と残業時間の関係
例えば、法定時間外労働が月に40時間だったとします。
銀行は土日・祝日が休みなので、だいたい一か月の営業日数は20日ですね。
すると、1日あたりの残業時間は2時間となります。
さきほどの例で考えてみましょう。
定時が17時10分、そこから30分間は法定時間内労働です。
残業はそれ以降になりますから、1日2時間残業したとすると、退社時刻は19時40分になります。
これは、始業時刻ぴったりに業務を開始した場合の話です。
もしも業務を開始する時間が8時20分であれば、1日2時間残業とすると退社時刻は19時20分になります。
始業前時間も労働時間にカウントされるということです。
8時20分出社、19時20分退社で、30代前半で年収1,000万円なら、結構お得な感じしませんか?
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サービス残業の実態
結論からいうと、サービス残業はありません。
✔ サービス残業の実態
サービス残業というのは、残業してるのに勤務実態を申告しないということです。
給料がつかないのに働いている、ということですね。
どんなに年収が高くて、法定時間外労働が記録上は月40時間だとしても、働いた時間を虚偽申告していたら意味がありません。
しかも、上司の暗黙のプレッシャーでそうさせられているとしたら、最悪ですよね。
サービス残業が多くなれば、時給がそれだけ安くなるということです。
しかし、少なくともメガバンクにおいてはこの心配は不要です。
まず、今はほぼすべての仕事が会社の専用回線に接続しなければできないようになっています。
専用回線に接続している時間は、ログとして管理されており、勤務時間の申請時にエビデンスとして突き合わせが必須です。
そのため、部下の立場からしても虚偽申告はできないし、上司の立場からしてもログと申請に差があれば承認することができません。
このような牽制がきいているので、サービス残業で割りを食うということは考えなくて大丈夫です。
✔ 仕事の持ち帰り
時間内に終わらなかったら家で仕事させられるんじゃ…(+o+)
ということもありません。
まず、会社の専用回線に接続可能なのは、会社の専用パソコンのみです。
先ほども書いたように、そもそも専用回線に接続した時点でログが残ります。
書類等も厳重に保管されていて、持ち帰りは不可能です。
プリンターから印刷された1枚1枚に通し番号が印字されるので、だれがプリントした書類かが追跡可能になってます。
印鑑の押された社内・顧客情報にも、すべて管理台帳で通し番号付きで管理されるため、持ち帰りは不可能です。
むしろ、家で不正に仕事をしていた、資料を持ち帰っていた、ということが判明すると、服務規律違反で罰せられます。
持って帰った本人もそうですし、その上司も同様です。
少なくともメガバンクについていえば、家に帰ってまで仕事をするような時代ではないのです。
✔ 仕事が終わらなかったら
とりあえず、なんとなくの形にすればよいのです。
自分の中で100点満点の資料を作成したいけど、時間がなくてできなかった。
そんな時は60点でもいいのでとりあえず仕上げて出してみることです。
それでダメなら評価が上がらないだけです。
あるいは、『時間が足りなくてここまでしかできなかった』と言えばいいでしょう。
上司によってはストレスに感じることはありますが、死にはしません。
幸か不幸か、銀行員は数年で異動・転勤になります。
異動の内示を受けるまで、とりあえずやれることをやってみましょう。
実際の残業時間
僕の残業時間は月25時間くらいです。
✔ 僕の残業時間
ざっくり言うと、僕の場合は始業時間の30分前くらいから業務開始。
始業時間が8時40分とすると、8時10分には会社についていることになりますね。
退社時刻は日によりますが、だいたい18時半~19時前後です。
所定労働時間は8時間ですから、法定時間内労働を目いっぱいやると17時10分(結果的に定時と同刻)になります。
そこから1時間~1時間半程度の残業をして退社する感じです。
一か月は20営業日あるので、月25時間程度の残業ということになります。
✔ 今までの経験上
今は残業に厳しい部署にいるのでこのような業務実態ですが、部署によっても変わってきます。
ただ、それでも月40時間の法定時間外労働を延長するのはハードルが高いところが多いです。
過去に、かなり忙しい企画部署にいたことがあって、その時は月70時間残業くらいでした。
70時間になると、毎日3時間超の残業になるので、8時半出社→21時前退社くらいですね。
この時は結構きつかったなぁという感覚があります。
ただ、それでも世間の数多ある会社の実態に比べれば、給料は出るし、マシなほうなんじゃないかと思っています。
僕の1日のスケジュールイメージについては、こちらも参考にしてみてください。
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