【全て一発合格!】証券アナリストの難易度ランキングと効率的合格方法!

  • 2022年7月17日
  • 2023年10月17日
  • Banker
 
銀行員の新入社員『念願の銀行に就職したら、いろいろと取らなきゃいけない資格がいっぱい。中でも証券アナリストというのは運用部門に行くための登竜門と聞きます…メリハリをつけて計画的に合格していきたいな。難易度とか合格のしやすさを教えてください。』

 

こういった疑問にお答えします。

 

実際に取得した証券アナリストの難易度ランキング

 

証券アナリストの難易度ランキング、勉強時間、使用した参考書を解説します。

 

 証券アナリストとは

 

証券アナリスト、通称CMAとは、Certified Member Analyst of the Securities Analysts Association of Japanの略称で、『日本証券アナリスト協会認定アナリスト』を意味します。
同協会の定める所定の教育講座(以下、CMA講座)を受講した上で、それに基づく試験に合格し、一定の要件を満たすことで認定される資格であり、⾦融・投資のプロフェッショナルの証と言えます。

 

例えば企業の投資価値を正しく分析するためには、企業財務に関する知識はもとより、マクロ・ミクロ経済、資本市場や金融商品の仕組み、投資理論に至るまで、幅広い知識が求められます。
また、証券アナリスト資格の学習を通じて得られるこうした知識は証券投資にとどまらず、企業の経営判断に関する様々分野で役立ちます。
そのため、運用部門のみならず、銀行員ならだれもが取得を推奨される資格の一つで、地銀やメガバンク、場合によっては生損保や信金等でも合格を目指して勉強している方がいます。
社会人になると暇な時間が減りますので、大学生のうちに取れるものは取っておくというのも大事だと思います。

 

銀行に入社すると、『できれば取得するように』と言われる試験の一つに、証券アナリストがあります。
そのほかに推奨される資格としては、宅建やTOEIC860点〜900点、中小企業診断士などが挙げられます。
いずれもそう簡単には取得することのできない難関資格ばかりで、証券アナリストの難易度も推して知るべし、かなりの難しさになっています。

 

 

 証券アナリスト1次試験について

 

証券アナリストは、1次試験と2次試験に分かれています。
まずは日本証券アナリスト協会の通信講座に申し込みを行い、その翌年度以降に1次試験を受験する資格が3年間与えられます。
逆に言うと、3年以内に3科目合格できなければ、再度通信講座に申し込まなければならないので、注意しましょう。

 

1次試験は、以下の3つの科目に分かれており、その全てに合格しなければ2次試験には進めません。

 

 

・科目Ⅰ:「証券分析とポートフォリオマネジメント」
・科目Ⅱ:「財務分析」、「コーポレート・ファイナンス」
・科目Ⅲ:「市場と経済の分析」、「数量分析と確率・統計」、「職業倫理・行為基準」

 

 

試験は春と秋の年2回、同じ日に科目別に実施され、科目別に受験申込みができます。
全ての科目を受験することも一部の科目のみを受験することも可能です。
1度に全ての科目に合格することを目標としても良いですし、あまりにも範囲が広いので複数回に分けて蓄積で3年以内に3科目合格を目指すことも可能です。
税理士に近い試験制度と言えますね。

 

 

 証券アナリスト2次試験について

 

1次試験の3科目に晴れて合格すると、2次試験の講座を受講することができます。
やはり受講年度の翌年度以降から試験を受験することができ、受験可能期間は3年間となっています。
3年以内に2次試験に合格しなければ、改めて通信講座を受講し直さなければなりません。

 

2次試験は以下の6科目から構成されますが、1次試験と異なり、科目ごとに分かれての実施ではなく、『2次試験』と言う一括りの1発勝負となります。
また、1次試験と異なり、毎年6月の1回限りの実施になるため、合計で3回しか受験のチャンスがないことになります。

 

 

・証券分析とポートフォリオ・マネジメント
・財務分析
・コーポレート・ファイナンス
・市場と経済の分析
・数量分析と確率・統計
・職業倫理・行為基準

 

 

2次試験は、午前の部と午後の部の二部構成となっています。
6科目の出題の総合計得点で、合否が決められます。

 

 

 証券アナリストの難易度について

 

冒頭でも述べた通り、証券アナリストの難易度は高いと言ってよいでしょう。
少なくとも、銀行員にとって合格必須とされている銀行業務検定よりは圧倒的に難易度は高いです。
そもそも、出題の範囲が膨大で、通信講座の参考書が送られてくるとその分量に圧倒されます。

 

僕の場合、運もあって1次試験・2次試験、全て1発合格することができました。
そのほかにも様々な資格を受けており、他の資格との比較感については、こちらの記事も参考にしてみて下さい。

 

 

銀行員パパブログ

銀行への就職に興味があるひと『銀行っていうと資格試験とか大変そうだな。入社したあと、いったいどんな資格を取得しなければな…

 

 

個人的な感覚ですが、証券アナリストの2次試験突破は、TOEIC860点よりや宅建取得よりも難易度が高いと思います。
また、通信講座の受講から1次試験受験、更に2次の通信講座受講から2次試験受験と、最終合格までの期間も複数年要するため、持久戦の様相を呈することにもなります。

 

難易度ランキング、勉強時間、参考書について

 

人によって得意・不得意あると思いますが、僕個人の肌感覚ランキング(簡単な順)です。

 

 第4位:1次試験 科目Ⅱ(「財務分析」、「コーポレート・ファイナンス」)

 

・難易度:★★★☆☆
・勉強時間:30時間程度
・使用教材:TAC参考書、過去問題集

 

 

1次試験は全てマークシート方式となっています。
従って、多少わからないところがあっても、当てずっぽうで正解することもあり得ます。
ただし、合格するためには相応の知識は必要になることを覚悟しましょう。

 

銀行員の場合、銀行業務検定財務3級や財務2級、そのほかに業務上・研修上などで触れることの多い『財務分析』『コーポレート・ファイナンス』が他の科目と比較して相対的に合格しやすいと思います。
勝手知ったる分野も多いと思いますので、他よりも手がつけやすいと言う面もあるでしょう。
計算式やルールなど、覚えなければならない分量は『証券分析とポートフォリオマネジメント』よりも少ないと言えます。
とはいえ、通信講座のテキストは分量が多すぎるので、TACの参考書を一通り読み、その後に過去問を何度か解いて感覚を掴めば合格は近いと思います。

 

 

 

 

 

 

 第3位:1次試験 科目Ⅰ:「証券分析とポートフォリオマネジメント」

 

・難易度:★★★☆☆
・勉強時間:40時間程度
・使用教材:TAC参考書、過去問題集

 

『証券分析とポートフォリオマネジメント』は、『財務分析』に比べると銀行員の普段の業務であまり馴染みのない分野になってきます。
財務分析が実践だとすれば、証券分析は数学的理論です。

 

参考書は一通り眺めて、過去問題集に集中した方がよいと思います。
理由は、『なぜそのような公式になるのかを理解する』よりも、『公式を暗記した上で問題文を当てはめる』方が得点に繋がりやすいからです。
公式を理解するのは、大学レベルの数学の知識が必要なところも多分にあり、あまり深追いしない方がよいでしょう。
それよりも、過去問題集を何度か解いて、よく出てくる公式を丸暗記して試験に臨んだ方が合格に近づきます。

 

 

 

 

 

 

 第2位:1次試験 科目Ⅲ:「市場と経済の分析」、「数量分析と確率・統計」、「職業倫理・行為基準」

 

・難易度:★★★★☆
・勉強時間:50時間程度
・使用教材:TAC参考書

 

1次試験の中で、個人的には最難関だと思っているのが、科目Ⅲ、中でも『市場と経済の分析』です。
『証券分析とポートフォリオマネジメント』が数学的理論だと述べましたが、『市場と経済の分析』は文学的理論と言えます。
数値がピタリと出てくるような類の出題ではなく、『どう解釈できるか』を突き詰めていく分野になっています。
僕は学生の時から国語が苦手だったと言うのがあるのかもしれませんが、向き・不向きがすごく顕著に現れる科目だと思います。

 

『市場と経済の分析』に効率的な勉強方法ついてですが、過去問題集の答えを見ても『なぜそれが答えなのか』を理解しにくい側面があります
時間をかけてゆっくりと理論を理解していく必要があります。
その意味で、過去問題集よりも参考書を熟読し、何周か繰り返すことをおすすめします。

 

また、「数量分析と確率・統計』については高校までの数学の知識でなんとかなることと、『職業倫理・行為基準』は一般常識でなんとかなるので、これら2つの分野で点の取りこぼしをしないようにすることも合格への近道と言えるでしょう。

 

 

 

 

 第1位:2次試験

 

・難易度:★★★★☆
・勉強時間:50時間程度
・参考書:過去問題集

 

やはり2次試験は1発勝負、かつ午前・午後の1日に渡る長丁場であることから、難易度ランキング1位としました。
ただ、必要な知識量は1次試験とそれほど大きくかわりません。
追加で暗記が必要な項目は無いと言っても過言ではないと思います。
実際、僕も1次試験の知識そのままに、2次試験の過去問題集だけを何回か勉強しただけで合格することができました。

 

2次試験が1次試験と大きく異なる点は、マークシート方式ではなく、記述試験だという点です。
従って、当てずっぽうと言うのは通用しません。
ただ、だから難しいかと言われれば、そんなことはありません。
逆に、とりあえずなんでもいいからそれっぽいことを書いてみれば、部分点が期待できます
長い試験時間の中で、諦めず最後まで鉛筆を動かし続けること、それが2次試験合格の近道です。

 

証券アナリスト2次試験の効率的な勉強ですが、上述の通り、1次試験の知識がある程度備わっていることを前提に、過去問題集を何度か繰り返すことをおすすめします。
参考書をイチから見直してもよいのですが、分量が多すぎて時間ばかりかかってしまいます。
それよりも、見慣れた1次試験の参考書でわからないところを振り返りつつ、問題を解く・実際に自分の手で書いてみる、と言う作業を繰り返した方が効率的だと僕は思います。

 

 

 

 

 最後まで諦めない!

 

証券アナリストに限った話ではありませんが、試験を受けるみなさん、とにかく最後まで諦めずに頑張ってください。
考えてもわからないことやどうにもならないこともありますが、試験時間の途中で抜け出してしまうのはもったいないなと感じます。

 

特に証券アナリストはお金も結構かかります。
受験資格は3年間と限られています。
銀行の中では『推奨』資格であって、『必須』資格ではないことが多いですが、あると人事からも認められます。
運用部署に行きたい方は、大きなアピール材料にもなります。
名刺に『CMA』と肩書きを載せることもできます(年会費に見合うほどの効果はないですけどね…)。
ぜひ、そういったメリットをモチベーションに、日々の勉強に励んでください。

 

銀行業務検定以外にも銀行員には様々な資格が求められます。
別の記事でも紹介していますので、よろしければご覧ください。

 

 

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