ベアファンドで大損!どうしたらいいか解説
評価損が膨らんでも慌てないことです。
✔ 本記事の内容
・損切りをしないための対処法
・株価暴落の歴史
つい先日、『日経平均株価高すぎ!ショートショート!』と言ってベアファンドを購入した僕です。
しかもレバレッジ3.8倍です。
日本経済新聞2021年1月14日『日本株高の勢いが止まらない。14日の東京市場で日経平均株価の上げ幅は一時500円を…
『ショート』とは、売りのポジションのことです。
株価が下落すると価格が上昇し、株価が上昇すると価格が下落する商品のことです。
『ベアファンド』とは、ショートポジションの投資信託のこと、と考えてください。
その逆に『ロング』とは、買いのポジションのことを指します。
ロングは一般的な『株の購入』と同じ意味で、株価が上げれば自分の財布も潤うわけです。
投資初心者の場合には、基本的にロングポジションしか取りません。
ロングポジションだと株価が下がっても配当があったり、わかりやすいからです。
ショートは、株を『持ってもいないのに売ったことにする』という架空ポジションであって、深く考えるとわけがわからなくなるかもしれません。配当が無いのではなく、配当分も価格が下落することを意味しますしね。
ショートを仕掛けるのは、あまりにも株価が高すぎると思ったときです。
『きっとこの後、株価は暴落するはずだ!』と思ったときに、ショートポジションの商品があれば、それを買えばよいわけです。
昔はショートの商品が一般的ではなく、個人投資家がポジションを持つのは中々手段がなかったものです。
さて、僕がベアファンドを購入したのは2021/1/13、日経平均株価は28,456円でした。
『さすがに高すぎじゃね?』と思ってベアファンドを購入したわけですが…
記事を更新した今日2021/2/16現在、日経平均株価は30,467円と絶好調です。
この商品が登場したときに買った人は凍え死んでいるかもしれません。
10,000円が600円を割っているわけですからね。
僕の100万円の投資も足元で22万円マイナスと、絶賛暴落中です。
この後どうしていくか等について解説していきます。
評価損が膨らんでいるときの対処法
原則として、持ち切りです。
✔ 評価損は未実現
ベアファンドでも日経平均株価でも、毎日上下動します。
その動きによって、評価額は上がったり下がったりします。
一時的に上がっていても、その時に売却しないと利益は確定しません。
その逆もしかりで、一時的に下がっていても、その時に売却しないと損失は確定しません。
僕の投資ポジションは、購入時100万円が評価額78万円にまで下がっているわけですが、売却しない限り損失は確定しません。
ショートポジションの場合、配当が入ってくるという副次効果すらもないのが玉に傷ではあるものの、売らなきゃ損はしないわけです。
それでも損切りしなければならない場面が2つあります。
✔ 手元資金が必要になった場合
まず、手元資金が必要になったときです。
入院、退職、出産、冠婚葬祭等、まとまったお金が必要になったときに手元資金がなければ、投資ポジションを解約して資金を捻出しなければならなくなります。
『損切りしなければいつかは価格が元に戻るはずなのに…(´;ω;`)』と思っても時すでに遅しです。
✔ 満期が到来した場合
次に、満期が到来してしまった場合です。
日経平均株価連動の投資信託のように、シンプルな商品は満期が設定されていません。
そのため、いつか購入時の価格を取り戻すまで半永久的に持ち続けていれば絶対に負けることはありません。
しかし、僕が購入したベアファンドのように、満期が指定されているファンドの場合には、価格が上がってようが下がってようが、その時点でキャッシュに戻されてしまいます。
損切りしないための対処法
価格が元に戻るまで持ち切るためにすべきこと。
✔ 手元流動性を確保しよう
急な出費で急遽キャッシュが必要な場合に備え、一定程度のキャッシュは手元に残しておくべきです。
Cash is Kingという格言もありますが、とにかく金をもっておくのがリスクを小さくする最良の方法です。
キャッシュを多く持ちすぎてしまうと投資効率が落ちます。
定期預金ではスズメの涙ほどしか利息がつかないご時世です。
資産を増やしたければなるべく多くのキャッシュを投資に回したいところですが、毎月の生活資金の3か月分くらいは少なくとも現金で寝かしておいた方がよいように思います。
✔ リスクの高い商品は投資割合を抑えよう
僕の購入したベアファンドは、日経平均株価の動きの3.8倍逆に動く投資信託です。
これはかなりリスクの高い商品です。
思った通り日経平均株価が下落すればウハウハですが、上昇すると一気に評価損が膨らみます。
このような価格変動が大きい商品に投資するのは、自分の資産の数%までにとどめた方が無難です。
手元流動性がいくら高かったとしても、リスク性投資商品の割合が大きいと精神的ストレスも高いです。
仮想通貨などでギャンブル的な投資をして一発逆転物語もよく聞きますが、再現性が低くオススメしません。
✔ 満期のない商品を選ぼう
どんなに手元流動性が高く、価格変動の小さい商品に投資しても、満期が設定されている商品を購入して満期まで持ち切ったら、その時の価格でキャッシュ化されてしまいます。
『いつか価格が戻ったら売ろう』という投資戦略が通用しないわけです。
僕が購入したベアファンドは、満期が2年後に設定されています。
ここから2年間、株価が上昇し続ける運命を辿ったら、大損確定です。
2年間もの長い期間、上昇し続けると思っていないから購入したわけですが、いざ相場がここまで強気だと不安にはなりますね。
ただ、やはり株価が高すぎる感は否めず、引き続き保有して満期までのどこかで利益が出るタイミングが来ることにベットし続けたいと思います。
株価暴落の歴史
今ベアファンドを持っている方に気休め情報を提供します。
✔ 株価は下落のほうが早い
株価は上昇していくスピードよりも、下落していくスピードのほうが速いです。
過去のヒストリカルデータを見ても明らかです。
何かショックがあると、投資家は一気に資金を引き揚げていきます。
もちろん、今後もずっとそうだとは確約できませんが、少なくとも21世紀に入ってからだけを見ても、これだけのイベントがありました。
<2001年 米国同時多発テロ事件>
1990年代のバブル崩壊による景気後退が続く環境下、2001年9月に発生した同時多発テロ事件の翌日から、日経平均株価は急落の流れに。1984年以来、17年ぶりの10,000円割れとなりました。
<2003年 20年ぶりの8,000円割れ>
2003年4月に、バブル崩壊後の最安値を記録しました(7,607円)。
<2007年 サブプライム・ショック>
2003年以来の上昇基調にある中、米国でサブプライムローン問題が顕在化し、2007年末から2008年にかけて世界的に金融危機が連鎖。日経平均株価も暴落しました。
<2008年 リーマン・ショック>
サブプライム・ショックによる暴落から、やや持ち直していた2008年9月に、米国のリーマン・ブラザーズが経営破綻したことで、金融危機が発生。日経平均株価は、再び暴落に転じました。
<2009年 バブル崩壊後の最安値を更新>
2009年3月に、バブル崩壊後の最安値を更新しました(7,054円)。
<2015年 チャイナ・ショック>
2015年8月に中国の景気後退懸念から、日経平均株価が急落。ここからアベノミクス相場が、いったん下落することになります。
<2016年 ブレグジット、米国大統領選挙でトランプ氏が勝利>
2016年6月に、英国国民投票でBrexitが決定。日経平均株価は急落しました。
<2020年 コロナショック>
コロナウィルスの感染が拡大していた中国の武漢市が都市封鎖(ロックダウン)されるなど、事態の深刻さが世界に伝播し始めた、その後一気に下げ足が加速し、暴落に発展しました。
✔ ショートがマグマのように溜まっている?
僕の購入したベアファンドの販売金額、銘柄注目度は急上昇中です。
これだけショートを仕掛けようとしている人が多くいるということは、売りのニーズがマグマのように溜まっていることを意味します。
世界的な金融緩和により、株価を買い支えるだけのキャッシュがマーケットにじゃぶじゃぶに溢れかえっているとしても、ショートに金が集まりつつあるとすると、大企業の決算一つで吹き飛ぶ場面もくるかもしれません。