外貨預金投資のデメリットを紹介【高金利新興国通貨は要注意です】

 
投資の中でも外貨預金に興味をもっている人『外貨預金は日本の円預金に比べてずっと金利が高い!為替変動リスクはあるけど、もともとの水準に戻るまでずっと外貨で持っていればいいんですよね?新興国の通貨は軒並み金利が高いから興味を惹かれます。デメリットはないんでしょうか?』

 

こんな疑問にお答えします。

 

外貨預金投資のデメリットを紹介!高金利通貨は特に注意です

 

純粋投資を考えるなら、外貨預金はあまりオススメしません。

 

 本記事の内容

 

・外貨預金の一般的なデメリット
・僕が外貨定期預金に投資して感じたデメリット紹介
・まとめ

 

10年前くらいでしょうか、豪ドル定期預金とNZドル定期預金に投資をした僕です。
その時は、日本円の定期預金に比べて圧倒的に利回りがよく、記憶では5年定期で3%とかそのくらいの金利設定だったと思います。
2021年現在では、先進国の多くがマイナス金利政策で軒並み預金金利は下落。
豪ドルもNZドルも3%といった高水準は遥か遠くの景色になってしまっています。

 

外貨預金を商品として取り扱っている金融機関は、どこもかしこも自分の手数料欲しさに顧客にとってメリットが大きいかのように優れた面ばかりを強調しがちです。
よく語られるメリットとしては、以下の2点くらいでしょうか。

 

 

・金利が日本円に比べて多少なりとも高い
・日本円がハイパーインフレで価値を失った際のリスクヘッジ

 

 

ただ、実際に投資してみて外貨預金にはメリットを打ち消すデメリットがあるなと感じたので、紹介したいと思います。
特にFIREを目指して投資をしている方や、これからFIREを考えようかなと思っている方には大きなデメリットになり得ると思いますので、参考にしてみて下さい。

 

 

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外貨預金の一般的なデメリット

 

よく目にするデメリットから紹介します。

 

 為替変動リスク

 

1ドル=100円の時にドルを購入したのに、そのあとずっと円高に動き続け、気づけば1ドル=80円でした、というのが為替変動リスクです。
上記の例の場合、100万円で1万ドル購入していたら、20万円の評価損が出ます。
外貨を円に換えて口座から引き出しをするとき、為替レートをチェックしないと評価損が実現損になってしまう可能性があります。

 

為替は株と異なり、中長期的には上下に動いていくので、もともと投資した時の為替水準まで戻るタイミングも来るはずです。
普通に生活していくだけのキャッシュが十分にあり、余資運用として一部を外貨預金に預けておくくらいであれば、為替水準が元に戻るまで首を長くして待っていれば防げるリスクではあります。

 

 

 売買両建ての手数料

 

投資するときには円を外貨に換えます。
この時に手数料がかかります。
投資を終えて外貨を円に戻すとき、この時にも手数料がかかります。
いってこい、両方のタイミングで手数料がかかってくるので、その分で元本割れの可能性が出てきます。

 

投資するときの手数料はその時の手数料水準だから納得した上で購入すればよいのですが、円に戻すときは将来いつになるかわかりませんし、その時の為替手数料がどの水準であるかも投資した時点では不明です。
ひょっとすると将来、為替手数料がアホみたいに高騰してしまい、円に戻そうと思ったら手数料が高すぎて金利で稼いだ分をまるまる打ち消してしまった、ということにもなりかねません。

 

 

 ペイオフの対象外

 

円の普通預金は、ペイオフの対象になります。
簡単に言うと、一つの銀行口座に1,000万円までの円通貨は、その銀行が破綻しても保証される、という制度です。
1,000万円以上を預金した状態でその銀行がつぶれると、最悪の場合、超過部分は返ってこない可能性もあるので注意しましょう。

 

少なくとも日本の銀行においては金融庁の厳しい審査の上で成立していますので、銀行破綻のリスクはかなり低いとは思います。
ただ、備えあれば憂いなし、昨今は銀行口座を作るのも非常にお手軽になりましたので、負担にならない程度に複数の銀行口座を持っておくと良いと思います。
僕もキャンペーン目当てなどで無駄に7口座くらいを開設しています。

 

外貨預金はペイオフの対象にはなりません。
なので、外貨預金の預け入れ先銀行がつぶれたら、その外貨は返ってこない可能性があります。
複数の金融機関に分散することでリスクヘッジは可能ですし、そもそも銀行破綻の蓋然性が低いので目をつぶれる範囲とは思いますが、デメリットはデメリットです。
FXだと、顧客からの預かり資産を信託銀行に保全していて、仮に銀行(等)が破綻したときにも差し押さえられないような手当をとっている金融機関もあります。

 

 

僕が外貨定期預金に投資して感じたデメリット紹介

 

少々ニッチなデメリットを紹介していきます。

 

 米ドル以外、使い道がない

 

FIREを目指し始めてから、米国ETFに多く投資をするようになりました。
その際、ETFを購入するためには米ドルが必要になります。
そのため、ETFを買う前に、まず円を米ドルに交換しなければなりません。

 

もし、米ドルに外貨預金をしていれば、その外貨を使ってそのまま米国ETFを購入することが可能でした。
しかし、保有している外貨は豪ドルをNZドルですので、例えば豪ドル⇒米ドルに交換しなければ米国ETFは購入できません。
この時に為替手数料もかかるし、交換するときの米ドル・豪ドル為替レート次第では多少損を被る可能性もあるわけです。

 

豪ドルやNZドルでそのまま投資できる優良なETFや株が証券会社にあればよいのですが、本当に少ない、または全くありません。
やはり海外投資と一口に言っても、主戦場はあくまでも米国であり、次いで欧州になります。
外貨預金や外貨定期預金で預け入れる場合、その先の投資に外貨を回すことも想定するのであれば、米ドルやユーロを強くオススメしますが、これらの通貨は現状で金利も低く、外貨預金の金利目的で投資する対象にはなりにくいかもしれません。

 

 

 為替水準が戻るまで塩漬けされる

 

為替レートが投資時点の水準まで戻れば、損することはありません。
それまでの間、金利もつきますので、プラスで投資を終えることが可能でしょう。

 

しかし、外貨定期預金の預け入れ期間が終了し、その時点で為替が円高だったとすると、円に戻すに戻せません。
戻せますが、評価損が実現してしまいます。
なので、定期預金の預け入れ期間後にすぐに手元キャッシュに戻せるとは限らず、その間は大した金利もつかないまま塩漬けになってしまうリスクがあります。

 

僕の場合がまさにそれで、預入時の為替レート以下で円に戻すのはバカバカしいなと思ってしまうクチなのでまだ豪ドル・NZドルのままです。
しかし、現時点の外貨預金金利は非常に低く、置いておいても大した利息もつきません。
出来ることならすぐにでも米国ETF等に資金を回したいのですが、為替の問題でそれができません。
FIREで高配当やトータルリターンの高い銘柄に投資をしていきたい現時点においては、米ドル以外の通貨の外貨預金は、足かせになってしまっています。

 

 

 新興国通貨の金利に騙されるな

 

トルコのリラや、南アフリカのランドといった通貨は、外貨預金でもFXでも超高金利です。
国が発行する債券の利回りも、一けた台後半だったりしますし、これらの通貨建てへの投資は魅力的な水準に映ります。
また、為替水準は中長期的に見れば上下動を繰り返し、投資した時点の水準に回帰してくる可能性も高く、『いつか円に戻せばいいや』と思って余剰資金を投資に回したくなる気持ちもわからなくはありません。
実際、こうした通貨建てへの投資で大きく稼いでいる方も世の中にはいるのだと思います。

 

ただ、美味しい話ばかりなはずもなく、こうした通貨には大きなデメリットがあります。
それが為替手数料です。

 

 

 

 

上の図は新生銀行から拝借したものです。
例えば、トルコリラの場合、スタンダード会員で為替手数料は1円とあります。

 

 

 
『英国のポンドも50銭だし、ポンドとリラの金利差考えたら全然手数料低いんじゃないんですか?ポンドの普通預金金利は0.001%、リラの普通預金金利は1%で、1,000倍も開きがありますよ?』

 

 

確かにその通りなのですが、為替レートとの比較で言うと大きな差が出ます。
スクリーンショットの時点における為替レートは1ポンド=150円、1トルコリラ=15円、ほどでした。
ポンドの場合、150円で1ポンド買うごとに50銭の手数料がかかる、つまり手数料『率』は0.3%です。
トルコリラの場合、15円で1リラ買うごとに1円の手数料がかかる、つまり手数料『率』はなんと7%です。
投資終了のタイミングで往復の手数料がかかるので、ざっとこの倍になります。

 

つまり、リラで投資をする場合には、投資するための前金として14%の手数料を支払わなければならないということです。
これだけ高いコストを支払う投資なのだから、高い利回りの商品が多いのは当たり前です。
年率7%のリラ建て債券があったとして、2年保有して利回り14%ゲットしても、手数料と相殺でチャラです。
しかも為替リスクがもれなくついて回ります。
3年、4年、、、と投資期間を延ばしていけば元本回収の蓋然性は高まりますが、国家破綻のケースでは通貨が無価値になる可能性もあり、僕は少々手を出しにくいなと感じてしまいます。

 

 

まとめ

 

投資は自己責任で。

 

 先進国が軒並み低金利で、外貨預金のうま味は少ない

 

世界各国、どこもマイナス金利政策を断行している現在において、預金金利での投資メリットは非常に少ないように思います。
だからこそ、株や債券にマネーが集まり、株高・債券高・不動産高、何でもかんでも価格が上がっている実態があるのでしょう。
安心して保有できる通貨の中では、定期預金に預け入れようとは思えません。
FIREを目指すのであれば、複利で運用していくことが重要であり、カネがカネを生むポートフォリオを組み替えていかなければなりません。

 

その意味で、現在においては外貨預金や外貨定期預金にただ預け入れているだけではデメリットの方が大きいと感じています。
仮に円のインフレリスクに備えて外貨を持つのであれば、その先の投資が容易な米ドルかユーロのほうが、後々使い道に困ることはないんじゃないかなと思います。
とはいえ、投資は自己責任です。
僕の考えも参考にしつつ、ご自身で何に投資すべきかを考えてみて下さい。

 

 

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