ロレックス正規店の入荷本数を検証
マラソンランナーの方は参考にしてみてください。
✔ ロレックス全体の売り上げ
2024年2月末に、ブルームバーグがロレックスの年間売り上げについての記事を発表しました。
ロレックス自身は上場会社ではなく、正確な数字を公表する義務もないし、公表もしていないため、あくまでもモルガンスタンレーとリュクスコンサルトの共同検証の結果であることはお含み置きいただきたいと思います。
スイスの高級腕時計メーカー、ロレックスは市場シェアを拡大しており、売り上げが初めて100億ドル(約1兆5000億円)を突…
記事から概要を転載させていただくと、以下の通りです。
2023年の1年間の生産本数は124万本、売上高は約1兆7,300億円というから驚きです。
ちなみに、日本が世界に誇るトヨタ自動車の2023年度売上高が約37兆円となるので、それに比べると霞んで見えてしまいますが、車と高級時計だと生活必需レベルが違うので参考にならないかもしれません。
スイスの腕時計市場から見ると、ロレックスは約30%のマジョリティーを牛耳っているとのことです。
マーケティングの観点で言うとリーディングカンパニーの寡占率は30%前後というのが通説ですから、違和感のない水準と言えるでしょう。
✔ 1店舗あたりの入荷本数
さて、ロレックスの1年間あたりの生産本数は約124万本となりました。
これを世界各国の正規店に卸していくわけですが、1店舗あたりの入荷本数がどの程度になるのかを計算します。
ロレックスのHPにいくと、正規店の世界地図が掲載されています。
こちらでちまちまと地域ごとの正規店の数を足し算していきました(目算なので誤差はご容赦ください)。
ざっくりですが、執筆2024年3月時点の正規店の数は以下の通りとなります。
アジア:345店舗(日本込)
中東ロシア:85店舗
アフリカ大陸:30店舗
欧州:584店舗
南米:109店舗
北米:326店舗
合計:1,479店舗
合計で約1,500店舗ですので、年間生産数124万本÷1,500店舗=約827本/年間、となります。
毎月にすると、827本÷12か月=約69本、となります。
参考までに、地域ごとの月間入荷本数は以下の通りです。
アジア:345店舗(日本込)×69本=23,805本
中東ロシア:85店舗×69本=5,865本
アフリカ大陸:30店舗×69本=2,070本
欧州:584店舗×69本=40,296本
南米:109店舗×69本=7,521本
北米:326店舗×69本=22,494本
合計:1,479店舗×69本=約10万本
もちろん、地方の小さな店舗と都心部の大型店舗では入荷数が明らかに違うでしょうから、上記の数字はあくまでも平均値となります。
ただ、仮にどこか大型店が平均の10倍の入荷本数だとすれば、他の多くの店舗が平均以下の入荷本数にしなければならなくなりますので、何十倍もの格差は設けられていないのではないかというのが推論です。
もはや空想の世界になりますが、新宿レキシアや並木通りレキシアのような旗艦店で平均の5倍=約350本/月、中型店で平均程度=約70本/月、地方の小型店で平均の半分=約35本/月、くらいではないかと思っています。
大型店;中型店:小型店=3:26:26(合計55店舗)とすると、3店舗×350本+26店舗×70本+26店舗×35本=3,780本で、55店舗×69本=3,795本の数字と近しくなるからこんなものではないかな、と。
✔ 金無垢とステンレスの生産本数
平均値で言うと、1店舗あたりの入荷本数は69本と計算されました。
このうち、ステンレスと金無垢の割合はどの程度になるでしょうか。
こちらについても検証してみます。
あまり細かく設定してもややこしくなるだけなので、ここでは『ステンレスおよびコンビモデル』と『金無垢およびオイフレモデル』の2つに分けて考えたいと思います。
ロレックスの年間売上高は101億スイス・フラン(約1兆7300億円、約115億ドル)とのことでした。
年間生産本数が124万本だとすると、1本あたりの販売単価は1.73兆円÷124万本=約140万円となります。
どのモデルをどの程度生産しているのかまではわからないですが、非常にざっくりとしたイメージで、『ステンレスおよびコンビモデル』の平均単価は130万円ほどではないかと思います。
レディースモデルは2桁代のモデルも多いですし、オイパぺやデイトジャストのシンプルなモデルは100万円を割り込むものもある一方、デイトナやメンズサイズのコンビタイプは200万円前後まで高騰してしまったので、平均的な数字でいうとサブマリーナSSの単価くらいかな、という感覚です。
一方、『金無垢およびオイフレモデル』の平均単価は、低く見積もっても400万円ほどではないかと思われます。
オイフレの安めのモデルでも350万円はしますし、フル無垢になると500万円で購入できるモデルのほうが少ないです。
以上のことから、仮に『金無垢およびオイフレモデル』の生産数をαとすると、『ステンレスおよびコンビモデル』の生産数は124万本-αとなります。
それぞれ平均単価は400万円、130万円と仮置きしましたので、トータルの売り上げ=400万円×α+130万円×(124万本-α)=1.73兆円、となります。
これをαについて解くと、約5万本となりますので、『金無垢およびオイフレモデル』の生産本数は約5万本、『ステンレスおよびコンビモデル』の生産本数は約119万本、となります。
いろいろと仮定が多いので正確ではありませんが、めちゃくちゃなボール球でもないのではないかと…
仮に上記の通りとすると、『金無垢およびオイフレモデル』は『ステンレスおよびコンビモデル』の20分の1以下の生産数ということになります。
✔ 1店舗あたりのデイトナの入荷本数は?
いろいろと前提が多いので、あくまでも参考としてご覧いただければと思います。
『金無垢およびオイフレモデル』:『ステンレスおよびコンビモデル』=1:20と計算されました。
1店舗あたりの月間入荷本数は約69本なので、ざっくり『金無垢およびオイフレモデル』が月間3~4本、『ステンレスおよびコンビモデル』が月間65本前後、くらいになりそうです。
くどいようですが、店舗によって入荷本数にばらつきがあると思いますので、あくまでも平均値となります。
『金無垢およびオイフレモデル』は(店舗平均で)月に数本程度しか入荷しないと考えられますので、これらのモデルで希望を絞るとかなり遭遇率は低くなってしまうと思われます。
実際、僕も金無垢を探してマラソンを続けていますが、かなり難航しています。
一方で、金無垢系は価格も高く、狙っているライバルの数はステンレスに比べると少ないので、競争率という意味ではステンレスと大差ないのかもしれません。
『ステンレスおよびコンビモデル』は(店舗平均で)月に65本程度入荷していると計算されましたが、特にデイトジャストなど型番が多岐にわたるため、希望するモデルの幅が狭いとなかなかお目にかかるのはやはり難しいと思います。
月65本のうち、極論すればデイトナSSが30本を占める、なんてことは常識的に考えてあり得ません。
僕がデイトナマラソンをしていた時、月の入荷本数は2~3本程度とスタッフの方から聞いたことがありますが、『ステンレスおよびコンビモデル』の店舗あたり入荷本数が65本であれば、そのうち2~3本がデイトナSSというのも感覚的におかしくはないのかな、と思います。
プロフェッショナルモデル約10種類×2~3本=20~30本と、デイトジャストやレディースモデル、オイパぺなどが残り30~40本とすれば、検算結果とも整合性はあるのではないでしょうか。
✔ まとめ
以上、ロレックスの正規店における入荷本数について検証してみました。
簡単にまとめると以下の通りとなりますが、あくまでも管理人による前提付きの計算結果ということでご了承ください。
日本:55店舗×69本=3,795本
アジア:345店舗(日本込)×69本=23,805本
中東ロシア:85店舗×69本=5,865本
アフリカ大陸:30店舗×69本=2,070本
欧州:584店舗×69本=40,296本
南米:109店舗×69本=7,521本
北米:326店舗×69本=22,494本
合計:1,479店舗×69本=約10万本
・平均値:約69本
・大型店:約350本、中型店:約70本、小型店:約35本、程度?
・『金無垢およびオイフレモデル』:月間3~4本
・『ステンレスおよびコンビモデル』:月間65本前後
いずれにしても、1か月あたり69本の入荷数に対して、毎日並んでいるお客さんの数を踏まえると激戦なのは間違いありません。
ロレックスを正規店で購入しようと思ったら、相応の覚悟は必要になります。