【注意喚起!】高級時計の販売委託もトケマッチと同じような危険性が…

 
ロレックスなどの高級腕時計の売却を考えている人『オメガやパテックフィリップなどの高級時計が好きで何本か所有しています。最近少し買いすぎてしまって、手元資金を貯めたいから一部の時計を売却しようと思っています。並行店に売却するよりも委託販売の方が手数料も少なくて高く売れると聞いたのですが、実際のところどうなのでしょうか?』

 

委託販売の危険性は頭の片隅に入れておきましょう。

 

高級時計の委託販売はリスクもある!

 

あくまでも『こんなリスクもありうる』という話ではありますが…

 

 

 パルミジャーニ・フルリエが騙し取られた

 

以下のリンク先にニュースとして取り上げらていますが、高級腕時計の『パルミジャーニ・フルリエ』を騙し取られる事件が起きました。
犯人は詐欺罪の疑いで逮捕されており、刑事事件となっています。
高級時計は小さくて扱いやすく、換金性の高さも備えていることから、最近は事件に繋がることが多いですね。

 

 

 

 

男は2023年4月、熱海市内に住む会社役員の男性(55)に「自分のコネクションで、提示した金額以上に売ってきます。任せてください」などとうそを言い、販売委託を受けたスイス製の高級腕時計「パルミジャーニ・フルリエ」1個、時価980万円相当をだまし取った疑いがもたれています。
(中略)
逮捕された男は、静岡市の会社役員の男性(当時35)にも販売するつもりがないのにうそを言い、腕時計など時価合計約110万円相当をだましとった詐欺の疑いで2月29日に逮捕されていました。

 

 

要するに、『高値で売るから預けてください!』と言って、預かった時計をどこかに売ってお金をネコババする、ということですね。
そのまま姿をくらましてドロン、という典型的な詐欺事件です。

 

 

 ロレックスを販売する場合の方法

 

ロレックスなどの高級時計を手放したい、売却益を得たい、手元流動性を確保したい。
売却の動機はいろいろあると思いますが、いざ売却しようと思ったときにいくつかの方法があります。
大別すると、だいたい以下の3パターンに分けられると思います。

 

 

①自分が相手に直接売る(メルカリなど)
②自分が中古店に売る(売却)
③自分が相手に間接的に売る(委託販売)

 

 

これらには少しずつ違いがあります。

 

 

 売却方法の違い

 

『①自分が相手に直接売る』は、メルカリやヤフオクなどのオークションプラットフォームを使って販売する手法です。
売り手と買い手の間の中間業者がおらず、売り手がプラットフォーマーに手数料を支払うのみです。
よって、売り手は比較的安い価格で出品しても手残りが多いし、買い手も比較的安い価格で入手することができます。
お金の流れは売り手から買い手にダイレクトとなります。

 

『②自分が中古店に売る』は、RASINやクオーク、ジャックロードといった中古品取り扱い店に販売する手法です。
高級時計を売却したいと思ったときに、真っ先に思いつく方法だと思います。
中古店は買い取った時計を誰かに販売して初めて利益が出ますが、それまでの間は自社で買い取り保管しておく必要があります。
中古品取り扱い店は、買い取るための資金を借り入れなければならないし、正規品であることの確認や傷の補修、展示や販売負担が生じるため、売り手からある程度コストを差し引いて買い取り、十分な利益が出る水準で他の誰かに売却することになります。
お金の流れは売り手から並行店に行き、一定の時間差を置いて並行店から買い手に流れます。

 

『③自分が相手に間接的に売る』は、ブランドバンクなどが用いていたり、カメ吉やコミットなどの並行店が一部採用している手法です。
①と比較的近いのですが、業者が間に入ることで買い手の安心感を高めることができます。
売り手は時計を業者に預けて(売却はしない)、業者はその時計の買い手を探します。
買い手が見つかったところで商談成立、買い手からお金が業者に流れ、業者が手数料を差し引いて残りが売り手に支払われます。

 

 

 委託販売のリスクとは?

 

さて、委託販売の場合、②と比べて売り手にとって手数料が少ないというメリットがあります。
買い手も安く買うことができますし、業者が入っているので偽物を掴まされるリスクが軽減できます。
業者も売り手から買い取るわけではないので、別に多額の資金を用意する必要もありません。
①と③のいいとこどりな感じがします。

 

しかし、この委託販売の形式、悪意をもった業者に当たってしまうとめちゃくちゃリスキーとなります。
結局のところ、『売れるまでの間、無償で業者に時計を預けている』ことになるので、極端なことを言えば以下のようなリスクが潜在的にあると言えます。

 

 

1.業者が本物を売却し、偽物を売り手に戻す
2.業者が本物を売却し、偽物を買い手に売る
3.業者が預かった本物に傷をつける、部品を交換してしまう
4.業者が預かった時計を持ち逃げする

 

 

1とか2は、あまりやりすぎるとどこかでバレる可能性もあるので頻繁にやるリスクは低いと思いますが、無いとは言い切れません。
3は業者にとってメリットがないと思われるかもしれませんが、例えばパーツを一部交換して『これでは正規品と見なせないから安く買い取ります』と売主を騙すケースや、わざと傷をつけて『これでは売値はかなり低くしないといけない』などといってマージンを増やすようなケースが想定されます。

 

究極的には4のような事態も考えられます。
これは、話題になっているトケマッチの事件とほぼ同じで、業者が複数のユーザーから時計を預かり、販売している風を装って持ち逃げする、という最悪のケースもありうる、ということです。

 

 

 トケマッチ事件から学ぶこと

 

トケマッチも、所有する大切な時計を『他人に預ける』というコンセプトから大きな事件に発展しました。
委託販売も、『他人に預ける』という観点では同じです。
基本的にどの委託販売業者も安心できるとは思いますが、中にはトケマッチのような悪意を持った業者がいないとも限りません。

 

もし、時計を売却するのであれば、『預ける』のではなく『売り切れる』方法を採用した方が良いというのが個人的見解です。
もちろん、委託販売の方が手数料が安い、あるいは売値が高くなる、といったメリットはあります。
しかし、その裏で上記のようなリスクが孕んでいることも忘れない方が良いと思います。

 

ちなみに、僕も所有していたロレックスのミルガウスを売却することにしました。
ディスコンによる値上がりを期待した投資だったのですが、結局あまり値段が上がらず、130万円で購入して120万円で売却するという、失敗投資となってしまいました。
まぁそれでも、時計を持ち逃げされて130万円ドブに捨てるよりはよっぽどマシだったかなと思っています。
僕が腕時計を売却したお店のリンク先を貼っておきますので、よろしければご参考ください。

 

 

 

 

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