【投資】ノックイン条項付き社債は購入すべきか?

自分の資産と負債を並べてみたときに、明らかにリスク資産への投資割合が低く、円預金で眠ってしまってる部分を少しでも活用しなければと考える今日この頃です。

 

 

 

僕が開設している証券会社はSBI証券なので、何かいい投資商品はないかなと久々にHPを覗いてみました。

 

 

トップページのバナーに商品カテゴリーが掲載されています。僕は職業が銀行員なので、株式への投資が制限されています。正確に言うと、銀行員の中でも制限されない部署、制限される部署、禁止の部署をあって、恐らくその大多数は制限される部署に該当すると思います。禁止の部署というのは、個別企業の非公開情報等を頻繁に取り扱いようなセクションをいい、コンプライアンスや営業本部等が該当します。

 

僕の場合、業務上で非公開情報を扱うことはほとんどないため株式の取引が禁止されているわけではないのですが、売りも買いも事前に所属長承認が必要だったり、その際に説明も求められますし、そもそも投機的投資はやめなさいと言われてしまっているので、手を出すのは避けています。ETFは上場株式に該当しますが個別株ではないので、取引しても問題ないと思われますが、こちらはリアルタイムで発注をかけることができる点が投資信託と比べて長所になっていますが、企業側からすると業務中は集中して働けということですので、あまりリスクを負ってまで手を広げない方がよいのかもしれません。

 

さて、そうなると投資信託か債券かFXか金銀プラチナあたりに対象が絞られます。先物オプションは専用口座開設が必要となりますし、銀行員の僕が開設できるかどうかは甚だ疑問です。金銀プラチナはこの環境下であまりにも高値過ぎると思ったのでいったんは無視。債券はどうだろうと思って覗いてみました。すると、『香港上海銀行 2022/3/18満期 早期償還条項付 他社株式株価連動 円建債券(富士通株式会社)』という何とも長ったらしい名前の商品が、期間1年半、利回り5.6%(税引き前)でリリースされています。

 

 

 

 

いわゆる『仕組み債』と呼ばれるものですね。説明がながったらしいのですが、要するに、①富士通の株価が下がりまくったら元本棄損の可能性あり、②富士通の株価が上がったら1年半待たずに終了の可能性あり、③富士通の株価が下がっても元本は満額返ってくる可能性あり、④富士通の株価が上がってもその恩恵はあずかれない、ということです。順番に見ていきましょう。

 

 

①富士通の株価が下がりなくったら元本棄損の可能性あり

 

これが『ノックイン事由』と呼ばれるものです。この商品の場合、当初の株価の70%を下回ることが一度でもあれば、当初と満期の株価の差分が損となる、ということです。従って、期間1年半の間に70%を下回ったことがあっても、満期には当初株価を回復していれば損を被ることはありません。また、期間中に70%を割ることが一度もなければ、損を被ることもありません。しかし、ノックイン事由にヒットした後、満期の株価が当初未満であれば損を被ることになります。

 

 

②富士通の株価が上がったら1年半を待たずに終了の可能性あり

 

これは『早期償還条項』と呼ばれるものです。この商品の場合、指定日において当初の株価の105%を超えたら投資期間が終了し、元本100%と期間分の利息が受け取れます。問題は『100%の元本償還を受ける』というところで、株価の上昇による恩恵を一つもあずかれません。また、戻ってきたお金を再度投資に回すことにより、再投資リスクに晒されることになります。

 

 

③富士通の株価が下がっても元本は満額返ってくる可能性あり

 

この商品における最大のメリットだと思います。期間中、株価が70%~105%の間をうろちょろし続けた場合には、満期の株価が当初の80%だとしても100%満額償還されます。

 

 

④富士通の株価が上がってもその恩恵はあずかれない

 

この商品における最大のデメリットです。期間中に株価が上昇しても、早期償還されようと満期まで継続しようと、返ってくる元本は100%のままです。仮に富士通の株を保有していれば株価上昇によるキャピタルゲインをまるまる獲得できる権利を捨ててしまっているわけです。

 

ちなみに富士通の配当率は1.28%です。本商品の債券利回りは5.6%なので、利率だけ見ればかなりお得と言えるでしょう。

 

 

 

 

以上のことから、本商品を総評すると以下のようになります。

 

・富士通の株価が1年半の間に105%は超えないが70%を下回らないと思うならお得。なぜなら利回りが5.6%と高いから。

・富士通の株価が1年半の間に105%を超えると思うなら株買った方がよい。なぜならキャピタルゲインで+5%に加え、株式配当1.28%を享受できるから。

・富士通の株価が1年半の間に70%を下回る可能性があると思うなら株買った方がよい。なぜなら本商品は1年半後に否応なしに損切りさせられてしまうが、株ならばそのまま当初購入価格を上回るまで保有し続けられるから。

 

 

足元では、在宅によるPC需要等で富士通の株価は上昇が期待されていることもあり、恐らく105%を超えて早期償還にヒットする可能性が高いのではないかと思います。とすると株を買った方がよいという結論になるのですが、冒頭の通り僕は株を購入することができないため、『株と本商品の比較で』本商品の購入を見送るか、『単純に本商品の5.6%の利回りをお得と考えて』本商品を購入するかの二択になります。

 

確かに5.6%は魅力ではあるのですが、個人的には上記の④強制的に損切りさせられるというのが非常に心理的ネックとなっています。株や為替なら中長期的・超長期的に見れば購入当初の水準を回復する可能性は高く、資金に余裕があるならそれを待つことが可能です。僕は資金的な余裕はあるので、『もっと保有し続けられたら損することもないかもしれないのに、商品特性上仕方なく損切りさせられる』ことに抵抗があるので、今回は残念ながら投資を見送ることになると思います。

 

 

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