【ポケモンカードゲーム】超ウルトラレアカードを売却した話【No1・No2トレーナーカード】

  • 2022年5月9日
  • 2023年11月7日
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銀行員パパ『実は昔、とあるポケモンカードを海外の方に譲ったことがあります。その時の体験談を語りたいと思います。なかなかお目に罹れない貴重な写真も掲載しました。相場を知らない方からすると、結構衝撃的な内容かもしれません・・・!』

 

とあるポケモンカードゲームの売却話。

 

超レアカードを売却した体験談

 

貴重なカードにはとんでもない値段がつく世界です。

 

 ポケモンカードゲームとは

 

ポケモンカードゲームとは、世界的に有名なポケットモンスターをモチーフにしたTGC=トレーディングカードゲームのことである。
ポケットモンスター自体は、1996年に任天堂ゲームボーイ専用のソフトとして発売された。
当時は全151体のモンスターを集めて育てるという画期的なゲームで、徐々に人気に火がつき、世界的にも爆発的な人気を誇るに至る。
最初は赤・緑の2色展開であったが、その後、黄・青、金・銀…と今なお新作の発売が続く、超ロングセラーゲームとなっている。

 

ポケモンカードゲームも、ポケットモンスターが発売された同年にトレーディングカードゲームとして口火を切った。
トレーディングカードとは、単なるカードではなく、一定のルールのもと対戦が可能なゲーム要素を取り入れたものだ。
当時は、スターターパック3,000円(60枚入り)と拡張パック300円(10枚入り)のみの展開だったと記憶している。
僕はその頃小学生だったので、少ないお小遣いを貯めて、拡張パックを随時購入し、友達とカードの交換をし合ったのをよく覚えている。
余談だが、たくさん購入することはできなかったので、自作で勝手なキャラのカードを作ったり、デッキ(60枚1セット)を入れる専用の箱をVHSカバーで工作したりしたのもよい思い出だ。

 

 

 第一回関東大会開催

 

さて、そんなポケモンカードゲームだが、いつもは友達と対戦して楽しんでいる毎日であった。
そんな中、月刊コロコロコミックという雑誌で、各地で大会を開催するので参加者を募集するという記事が掲載された。
小学生だった僕は、葉書を送ったことも何かに申し込んだこともなかったのだが、どうしても大会に参加してみたかったので、母親にせがんで返信用葉書を買ってもらい、応募することにした。
第一回大会は、関東大会以外に、中部・北陸・関西など計7ヶ所くらいで開催されていたのではなかったかと思う(定かではない)。

 

僕は関東に住んでいたので、関東大会に応募した。
参加できる人数は60人〜70人ほどだったと記憶している。
今考えると非常に狭き門だと思うが、幸運なことに抽選に当選して、大会に参加することができた。
関東大会は幕張メッセで行われ、小学生の自分にとってはかつてないほど遠距離への遠征だった。
会場は盛況で、大賑わいだったのを今でもよく覚えている。

 

大会は、予選から行われた。
ランダムに複数の参加者と対戦し、勝ち残った者が決勝トーナメントに上がるフォーマットだった。
正直言って、予選のことはほとんど記憶にない。
友達からこの日のためにとっておきの強いカードも借りて挑んだ初の大会、死に物狂いで頭をフル回転させ、運にも恵まれて決勝戦まで勝ち進むことができた。

 

決勝戦のことは朧げながら記憶がある。
壇上でスポットライトと観客の視線を浴びながら、1対1の対戦となった。
最後の最後でカードのドローが悪く、粘ったものの勝利には至らなかった。
悔しさはあったが、ここまで勝ち残れたということに一種の満足感があった。

 

決勝戦の後にセレモニーが行われ、優勝者から3位入賞者まで、記念のカードと特製帽子が授与された。
僕は準優勝だったので、No.2トレーナーカードというピカチューのカードを頂くことができた。
この記念カードが冒頭で述べた貴重なものなのだが、後述したいと思う。
また、全参加者に記念のコイン(特別なゴールドのラッキーモチーフ)が配られた。
準優勝したよと言ったら母親には半分呆れられた。

 

これも記憶が定かではないが、この大会の模様は後日、ポケモンカードゲームの小冊子が発行されて僕の名前も掲載されたと思う。
もしも万が一、その冊子を今も大事に保管している方がいらっしゃれば、コメント欄にお寄せいただきたい(僕はその冊子は捨ててしまったようだ)。
その冊子は数百円で発売されたものだと思うが、僕は大会準優勝者で写真も掲載されるということで、大会本部から無料で送ってもらった。

 

 

 第二回関東大会

 

第一回関東大会の翌年だっただろうか。
第二回関東大会が開催されるという知らせを月刊コロコロコミックで目にした。
今回も参加したいなぁと思っていた矢先、大会運営本部から一枚の葉書が送られてきた。
なんと、前回大会の入賞者は抽選なしで参加可能だと言うのだ。
これは行くしかない。
意を決して、第二回関東大会に出場するため、再度幕張メッセに足を運ぶことにした。

 

このときは、友人たちの期待も厚い。
僕が欲するカードは惜しみなく貸してくれた。
理想とするデッキには程遠かったが、それでも第一回大会よりは強くなったという自信はあった。
第二回大会もフォーマットは同じで、予選が行われたのち、勝ち残りが決勝トーナメントに進むという方式だった。
やはり、予選の記憶はほとんどない。
ランダムに参加者と複数回対戦し、全勝で決勝トーナメントに進んだ。

 

第二回大会も壇上でスポットライトと観客の視線を浴びながら決勝戦が行われた。
このときはカードのドロー運にも恵まれ、また友人から借りたカードたちも本当に役に立ってくれて、見事に第一回大会の雪辱を果たす優勝で終わることができた。
優勝者から3位入賞者までには記念のカードと特製帽子が授与され、全参加者には記念コインが配られた。
第一回大会で準優勝していたからだろう、母親は期待していたらしく、今も優勝スピーチの時の僕の写真が現存している(お見せすることはできないが)。
第二回大会は優勝したので、No.1トレーナーカードというピカチューのカードを頂くことができた。

 

第一回大会同様、この大会の模様は後日、ポケモンカードゲームの小冊子が発行されて僕の名前も掲載されたと思う。
もしも万が一、その冊子を今も大事に保管している方がいらっしゃれば、コメント欄にお寄せいただきたい(僕はその冊子は捨ててしまったようだ)。
その冊子は数百円で発売されたものだと思うが、僕は大会準優勝者で写真も掲載されるということで、大会本部から無料で送ってもらった。

 

ちなみに、第二回優勝者(準優勝者と3位は不明)は、ゲームボーイで発売されたポケモンカードゲームのゲーム(ややこしくて申し訳ない)に敵キャラとして登場させてもらうことができた。
このゲームは、キャラとして登場させる代わりに、そのゲームソフトを無料で送ってもらうことができた。
自分が敵キャラとして出てくるのはなんとも形容し難い感覚だったが、何と言っても実際に使っていたデッキと全然違う、弱いキャラになってしまっていたのが残念だったことをよく覚えている。
興味のある方はハードオフででも探してみてプレイしてみることをオススメする(ただ、あんまり面白くなかったような・・・)。

 

 

 

 

 全国大会

 

実はこの後、初となる全国大会が開催されることになった。
第一回・第二回大会の各地の入賞者だけが参加できるベリートップの大会で、是非とも参加してほしいと大会運営本部から母親が電話を受けた。
今考えれば絶対に参加すべきだったし、当時の友達たちも『参加した方が良いのでは』と口を揃えたが、僕および僕の母親は保守的な人間で、全国大会当日が学校の終業式と被っていたので参加を見合わせることにしてしまった。

 

従って、これ以降に行われた大会の全貌は知る由もない。
中学校に入り受験勉強も忙しくなって、ポケモンカードゲームもポケモンも、少しづつ足が遠のくことになっていった。
実家には第一回・第二回大会の記念カードと特製帽子、記念コインに当時の大量のポケモンカードが埃を被ったまま押し入れの奥底で眠り続けることになった。
冬眠期間は約15年を経ることになる。
記念に撮影したカードがコチラだ。
カードがクリスタルケースに入った状態で撮影されること自体が非常に貴重だと思う。
また、優勝者カードと準優勝者カードの2枚をプライマリーで持っている人間も、世の中に僕以外いないのではないかと推測する。

 

 

 

 

 開運なんでも鑑定団に登場

 

平成も終わりを迎える2019年4月。
開運なんでも鑑定団というテレビ東京の番組で、貴重なポケモンカード31点が出品されたのを目にした。
僕の持っている第一回・第二回大会の入賞者カードよりも発行枚数の多いものばかりであったが、31点合計で120万円という値段がつけられた。

 

 

テレビ東京

全てのカードが一般流通していないプロモーションカードで、中でも発行枚数が少ない珍しいもの。「ガルーラ」は「ポケモンの親子…

 

 

これを見たとき、『そういえばあのときの入賞者カード、実家にまだ眠ってるかな』と思い、母親に問い合わせてみた。
すると、当時のまま押し入れの奥底に眠ったままだというのだ。
早速取り寄せて、現物を確認。
多少、陽による劣化は見受けられるが、クリスタルケースから取り出されたこともなく、状態はほぼ完璧だった。

 

どうしようかと悩んだ末、一旦、開運なんでも鑑定団に出してみようと思い、テレビ東京にメールを送った。
しかし、二番煎じということだろうか、返事はなく、奇跡のテレビ出演は叶わなかった。
その後、試しにヤフオクに出してみるかということで、値段は2枚合計700万円で出してみた。
当時、世界で最も価値のあるポケモンカードが『ポケモンイラストレーター』というピカチューのカードで、お値段なんと1枚600万円ほどだというニュースを見ていたので、それよりは1枚あたりの価格は低いかなーなんて適当な値付けで出品してみた。

 

数日後、なんと応札1件が入った。
しかし、新規、しかも海外の方っぽい。
なんとなく怪しいし、落札後にキャンセルで手数料だけ引かれるのも馬鹿らしいので、その応札は取り消しにして出品終了となった。
ところが程なく、僕が別で出品しているもののコメント欄に、その応札者からメッセージが届いた。
どうしても欲しい、直接連絡できないか、という内容だった。
ナイジェリア詐欺も流行っているのでどうしたものかなと思ったのだが、怪しければ手をひくだけなのでとりあえず連絡を取ることにしてみた(全て英語である)。

 

 

 外国人と直接取引

 

数回メールのやり取りをしたところ、どうやらフランス人の方だそうで、ポケモンカードの熱狂的なコレクターだそうだ。
インスタグラムにも保有する貴重なカードの数々を掲載している、とリンク先を送ってくれた。
皆さんも、興味があればぜひ覗いてみてほしい。
滅多にお目にかかれないカードの数々、2022年の時価に換算すると総額で1億円は下らないのではないかとさえ思う。

 

 

Welcome back to Instagram. Sign in to check out what your fr…

 

 

また、現金即決でも構わないし、日本に直接行っても構わない、場所も指定されたところにいくし、必要なら取引前にパスポートを預ける、とまで言ってくれた。
できればビットコインで取引したいという申し出もあったのだが、これについてはご遠慮いただいた。
とはいえ、数人の外国人が強奪していく可能性も否定できないので、こちらも複数人体制で臨み、場所もある程度人の多い銀座近くのカフェを取引場所に選定した。

 

暑い夏の昼下がり、カフェで待機していると明らかに場違いな大柄の外国人男性が現れた。
お互いに挨拶をして、席についた。
まず先方がパスポートを提示し、当方がポケモンカードを差し出した。
その後にキャッシュ700万円を受け取り、その一部を外で待機している別の人間に渡してキャッシュカードで預け入れができるか試した。
偽札の可能性を疑ってのことだ(念には念を入れた)。
ATMで入金できた旨を確認したのち、売買成立となった。

 

先方は、カードを差し出すと目を輝かせていた。
どうやら、優勝者カードと準優勝者カードのピカチューをデッサンしている日本人デザイナーのファンらしく、そのかたに直接会ってサインをもらったことまであるそうだ。
確かにカードの右下にデッサンしたデザイナーの署名が小さく書かれていたのだが、言われるまで気づかなかった。
やはり世界は広い。
海外の本物のコレクターは、金に糸目をつけない。
しかも、知識も豊富で、調べるための努力を厭わない。
遠く離れた異国の地で、情報も限られるはずである。
しかし僕よりも詳しいことを知っていた。
日本人にもこんな底力がないと、世界とは戦っていけないなと痛感した。

 

 

後日談

 

近年、TGC市場は更なる盛り上がりを見せています。

 

 700万円の妥当性

 

さて、カード2枚を700万円で売却したのだが、皆さんの感覚はいかがだろうか。
『高すぎ』『こんなもん』『安すぎ』、普通の感覚だと『高すぎ』だと思われる。
普通に考えて、紙っぺら2枚に700万円である。
高すぎると考えるのが妥当だろう。
そもそも、ポケモンカード運営サイドが、当該カードの再発行をしますと言った瞬間に価値はガタ落ちになる。
その意味でも、売り時は非常に難しい問題で、当時700万円で売ったのが正解だったのかどうかは答えがない。

 

今振り返ってみると、売らなきゃ良かった、が正解だ。
なぜなら、この数年でTGC市場は更なる盛り上がりを見せており、1枚1億円というありえない金額で取引されるカードまで登場してきた。
ポケモンカードゲームのレアカードの価値も上がる一方で、今あの2枚のカードを売りに出したら、700万円を優に超える金額で売却することができたはずだ。
最近はTGC市場に関するニュースも多く取り上げられており、一部を掲載しておく。

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、先ほども述べた通り、運営サイドが再発行するといった瞬間に価値がガタ落ちになるリスクを孕んでいるので、売った当時はそれがベストなチョイスだったといえなくもない。

 

 

 納税はしっかりしましたよ

 

700万円で売却したカードだが、税務署に直接聞いたところ、いわゆる骨董品の売却に近い性質のもので、譲渡所得に該当すると言われた。
単なるTGCであれば生活用動産の売却で非課税になるかなと期待していたのは甘かった。
700万円で売却するのにあたり複数の人の協力も得たので、それら支出と、カードの取得に要した費用(わからない場合は売った価格の5%相当で良いと税務署に確認した)を差し引いた利益に対してかかる税金を納めることにした。
売却額が額なので、納税額も冷や汗が出るほど高かった。
まぁ、日本人の責務なので仕方ない。

 

返す返すも、引き続き持っていればカードだけで家が建ったかもしれないなぁなどと思ったりもする。
覆水盆に返らず、無事に対価を得て売却できただけよしとしよう。
友人にこの話をすると結構ウケがいい。
酒の肴にすることができるのも、売却して良かったなと思う瞬間だ。
ぜひ当時のご記憶のある方はコメント欄にお寄せ頂きたい。

 

 

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