この記事の内容
・僕が思う、転職することのメリット
・実際に転職してみてよかったか
僕は現役の銀行員です。
某メガバンクに勤めています。
以前は別のメガバンクに勤めていて、途中でリクルートエージェントとJACリクルートメントというエージェントを活用して転職をしました。
今の会社に不満を持っていたり、良さそうな企業があって転職できるものならしてみたいなと思う一方で二の足を踏んだり、なかなかやろうと思っても転職活動そのものに足を踏み入れられない方がほとんどなのではないかと思います。
結局のところ、腐っても終身雇用制が維持される日本社会の中で、今の会社に居続けることが一番リスクの低い選択であると、皆さんが頭のどこかで考えているからだと思います。
だから、多少の不満があっても我慢しよう、よその会社のほうがよさそうだけどリスクがあるからやめておこう、となるのではないでしょうか。
しかし、終身雇用制もいつまで続くかわかりません。
今の会社がいつまで存続できるかもわかりません。
僕個人としては、思い立ったが吉日、転職活動だけでもしてみようと行動に移してみる価値は十分にあると思いますが、それでも『自分にはそんなスキルないし』とか『面接を受ける時間がないよ』とかいろいろと『できない理由』をつけて現実から遠ざかる方々も多いと思っています。
転職する・しようとすることが常にベストの選択ではありません。
転職経験者の立場として、実際に転職のメリット・デメリットと、転職したことが自分にとってプラスだったのかマイナスだったのか、ご参考までにお示ししたいと思います。
僕が思う、転職することのデメリット
僕が転職を検討する際に考えていたデメリット。
✔ 築き上げた人脈・評価がゼロクリアになる
組織の一員である以上、同じ部署の他の人や他の部署との関わり合いは必要です。
一人よがりでは仕事を進めていくことはできません。
サラリーマンの宿命といってもよいでしょう。
転職をすると、それまで培ってきた人間関係、評価がすべてゼロからのスタートになります。
『総務のことならこの人に聞けば間違いないな』が通用しなくなります。
『これまでそこそこの評価をしてきてもらってるから給与水準もある程度あがるはずだ』も不透明になります。
特に僕の場合、前者の人間関係は悩んだところです。
仲の良い一部の同期や先輩と飲みに言ったり愚痴を言いあったりすることも多かったので、転職するとこの機会も減る、または無くなるのだろうな、と。
人事について、事務について、システムについて、それぞれ『前の職場で一緒だったからとりあえずこの人に聞いてみるか』も通用しなくなります。
これらの点はデメリットだと思いますが、そもそもご自身の会社員生活でこれらすべてが破綻しているならば、デメリットとは言えないでしょう。
✔ 転職先でうまくやっていけるか・評価されるか分からない
今勤めている会社でそこそこの評価をもらっている場合、その後の評価もある程度道筋が見えます。
日本企業であれば、いきなり最下層の評価を受けるリスクが低いと言ってよいでしょう。
同僚や後輩とうまくコミュニケーションがとれている場合、その関係は(余程のことがない限り)ずっと続いていきます。
しかし、転職をすると、企業の文化も違うし、評価体系も、勤める社員の属性も変わってきます。
これまで通りうまくコミュニケーションの取れる人たちかどうかはわかりません。
また、職場の同期や後輩とは仲良くやっていけている場合、それらの関係もゼロクリアになります。
✔ 給与と年金・退職金の経済的側面
まず、ボーナスについては半年分損するケースが多いです。
ボーナスは、給料の後払い的側面が強いため、例えば4月~9月の働きに対する報いとして12月にボーナスを受け取るわけです。
評価期間と受給日に3か月の開きがあるから、必ずボーナス支給分については損をします。
例えば10月に辞職した場合には4月~9月分のボーナスはまるまる受け取れないし、12月に辞職した場合には4月~9月分のボーナスは受け取れますが10月~12月分のボーナスは受け取れません。
次に年金・退職金についてです。
日本企業が終身雇用制を維持しているのは、長く働いて会社に貢献してほしいから、ということになります。
そのコンセプトを反映する形で、年金・退職金は在職期間が長ければ長いほど多くもらえる仕組みになっています。
逆に言うと、途中で自己都合で退職する場合、もらえる年金・退職金の額は、低い掛け目をかけられることになります。
僕の場合、8年働いてもらえた退職金は、数十万円でした(笑)
グローバルスタンダードからすれば明らかにアホみたいな仕組みで、これでは国が強くなっていくことはありません。
中国や韓国の企業に、より高い給料・より良い待遇で、より良い人材とノウハウが吸収されていくだけです。
✔ 事務手続き
意外と面倒なのが事務手続きです。
退職して新しい会社に就職するとなると、厚生年金の移行処理とか、退職する側の会社のもろもろの手続き、転職先の会社のもろもろの手続きが発生します。
例えば、給料の受け取り口座の指定、入社にあたっての書類審査、保証人の選定、などです。
僕が思う、転職することのメリット
僕が転職を検討する際に考えていたメリット。
✔ 不満を抱えたままの会社員人生から脱却
今の会社に不満がある場合、隣の芝は青く見えるものです。
『あの会社はうちよりましなはずだ』と思ったが最後、今の会社に勤め続ける以上は常にそうしたモヤモヤ感と戦い続けることになります。
そしてそれがさらに今の会社に対する不満につながっていきます。
転職をすれば、少なくとも前の会社が実はよかったのか、やっぱり悪かったのか、は見定めはできます。
転職活動もせずに『あの会社のほうがよさそうなのに』と手をこまねいていると、結局その会社でのサラリーマン人生にとって悪い影響しか与えません。
転職した結果、やっぱり前の会社のほうがよかったという結論になるかもしれないけれど、そうなったらそうなったで自分の決断が間違えていたんだと認識することで、次のアクションに移すことができます。
いつまでも『隣の芝は青いかもしれない』から脱却するのは極めて重要と思います。
✔ たった一度の人生、より多くの経験を
一つの会社に勤め続け、定年を迎えるという生き方を否定するつもりはありません。
むしろ、そういった律儀な生き方をできる人を、僕は尊敬します。
しかし、たった一度の人生、あの会社はこうだ、この会社はこうだ、と実感をもって経験した方が、自分という人間の幅を拡げることになると思っています。
今の会社に全く不満がなければ問題はありません。
少しでも不満がある場合、他の会社だったらどうなるのか、多少リスクを負っても行動に移してみた方が、より豊かな人生に繋がると思うのです。
仮に転職先でうまくいかなくなったって、また転職すればよい。
僕はそのくらいに考えています。
✔ キャリアアップ
僕は全く当てはまりませんが、巷でよく言われるのはキャリアアップです。
要するに、給与水準や待遇をあげるための転職です。
これも全く否定するつもりはありません。
低賃金の方が、生活水準の向上を目指してより良い条件を出してくれる会社に転職するのはアリだと思います。
専門ではないので実感を伴った言葉ではありませんが、外資系金融機関やシステムエンジニアは転職ありきの就職になることが多いようです。
実際に転職してみてよかったか
僕が実際に転職してみての実感をお伝えします。
✔ 転職の決断に至る背景
前の会社のすべてが嫌だったわけではありません。
仲の良い同期、先輩、後輩もいました。
しかし、一方で組織や文化に対する不満もありました。
まさに、『隣の芝は青いのでは』という想いが日に日に強くなり、アクションを起こした、というのが僕のケースです。
転職は、今の会社を辞めることのデメリットと、今の会社を辞めることで開放されるストレス・新しい会社で得られるメリットの、天秤にかけてどう判断するかだと思っています。
絶対に転職したほうが良いような事例は、世の中に多くはないはずです。
なお、『転職活動をすること』そのものは、天秤にかける必要もなく、アクションを起こしてみればよいと思います。
タダなのですから。
行動も起こさずに今の会社に不満をため込むことだけは、自分の人生を不幸にします。
僕の場合、転職活動で『隣の芝の青さ』を確認し、今の会社を辞めるメリット・デメリットを天秤にかけ、転職する方が自分にとってメリットがあると思い、転職することにしました。
同僚との繋がりを捨てることが最もデメリットとして感じたことですが、不満を抱え続けたまま働き続けること、たった一度の人生いろんな経験をした方が良いな、と思ったことがデメリットを上回り、転職を決断しました。
✔ 総論、転職してよかった
転職先の会社の実情は、転職活動中にエージェントや面談の中である程度分かっていたから、想定と実態の乖離は大きくはなかったと感じています。
それもあって、転職したけど思い描いていたのとはずいぶんかけ離れてしまった、ということはありません。
給料水準や昇格も、他のプロパーと遜色なく評価してもらっています。
新入社員で入社する同期と比べても、最短で昇進をしています。
もちろん、企業文化や風習などで戸惑うこともあります。
想定と実態が完全にマッチしているわけでもありません。
転職先の会社に対する不満も、在職期間が長くなるほど出てきます。
それでも、前の会社に居続けていたとしたら、『隣の芝は青いかも』と思いながら働いていたことになり、それは不幸な人生だっただろうなと思います。
やらない後悔より、やる後悔。
皆さんも、悩んでいるなら一歩踏み出してみることをオススメします。
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