銀行の本店・支店の業務の違いと特徴を解説

  • 2021年2月9日
  • 2021年9月9日
  • Banker
銀行に就職を目指している大学生『金融業界、とりわけ銀行に就職したいと思っています。銀行にはたくさんの支店があって、それとは別に本店がありますけど、業務の違いや特徴などはありますか?内定後面談で志望先を聞かれると聞いたので参考にしたいです。』

 

こういった疑問にお答えします。

 

銀行の本店・支店の業務の違いと特徴を解説します


銀行の本店・支店の違いを解説します。

 

 本記事の内容

 

・銀行支店・支社の機能・特徴
・銀行本店・本部の機能・特徴

 

近年、メガバンク等の大手銀行は、ネットや電子マネーでの決済等が増え、効率化の観点で支店やATMの削減を進めています。
しかし、そうはいっても全国津々浦々、いろんなところに支店や支社は点在しています。
ATMのみが設置されるスペースも街中の至るところに存在し、まだまだ現金主義の文化が完全に廃れるのは先になりそうです。

 

銀行で働く身になると、本店と支店の両方に従事することになります。
本店と言っても、多くて数万人の従業員を一同に集められるほどのキャパシティのある建物は東京都心部には用意できないため、メガバンクでいうと千代田区・中央区あたりに複数の本部機能を分散させているところが多いです。
従って、本当の意味(会社所在地など)での本店は当然1つしかないですが、本部機能を有するビルは2か所、3か所に分かれる銀行も多くあると思います。
支店についても、大都市圏の支店はそれなりに従業員数を抱えるため、複数の建物に分散していることもあります。

 

銀行に限らない話ですが、本店と支店では扱う業務や文化、昇進のしやすさ等にも違いがあります。
それぞれの特徴について、簡単に解説していきます。
内定を獲得した就活生は、採用前面談で配属先の希望を聞かれることになると思いますので、参考にしてみて下さい。

 

 

銀行の支店・支社の機能・特徴


上の写真は、三井住友銀行日本橋支店です。支店とは思えない面構えです。

 

 存在する部署

 

支店内で部署が複数に分かれるケースは多くありません。
大型店舗の場合だと、法人営業部と年金営業部のように扱う本業が異なる部署が同時に存在することもありますが、極めてレアケースかと思います。
部署が複数分かれることはありませんが、業務としては個人営業、法人営業、テラー、事務、の大きく4つに分かれます。

 

・個人営業…主に富裕層に対する営業や応対、投資信託の販売セールス等
・法人営業…支店管轄地域内の法人顧客に対する営業
・テラー…窓口業務、口座開設や振込等の対応
・事務…契約書や通帳、金銭等の管理や決済オペ、社内文書・指図書等作成

 

テラーや事務については、一般職が担当するケースがほとんどです。
個人営業や法人営業は総合職が受け持ちます。
マニュアル通りにやれることは一般職、セールスによる営業活動とその目標が貼られるのが総合職です。

 

 

多くの場合、その地方出身者やゆかりのある銀行員が配属されます。
支店長や課長などの地位になると、地縁に関係なく転勤になることも多くあります。
取引先の富裕層や中小企業は、いまだにウェットな取引も多く、足で稼ぐという古い価値観も根強い気がしています。
そのため、高学歴で理論的な銀行員が在籍するというよりも、営業力や若くて勢いのある銀行員が多く在籍する印象です。

 

 文化

 

本店に比べると明らかに仲の良い雰囲気だと思います。
地方であればあるほど、その傾向が強く、同僚以外に遊ぶ相手もいなければ一人で時間を潰す場所もないからだと思います。

 

よく聞く話ですが、支店内の数人でキャンプにいったり旅行にいったり、ボーリングやクリスマス会を開催したり、イベント関係は枚挙に暇がありません。
支店は20時以降まで開けていることも滅多にない(勤務管理が厳しい)ため、数人で近所に飲みに行くケースもよくあると聞きます。
コミュニケーション力のある方はむしろありがたい環境なのだと思います。

 

 昇進・昇格

 

どうしても取引基盤がナンバー部に比べて小さいため、成果を出しにくいです。
大型店舗になると話は変わりますが、中小の支店になると飛びぬけた評価を得ることが難しいため、支店としての評価も個人としての評価も、高いものを望みにくいです。

 

社内の昇格名簿を見ていると、やはり本部・本社の割合が圧倒的に多いように思います。
支店の数は山ほどあって、支店間で順位付けがされてしまうため、上位層に食い込めるような大都市圏の支店でなければ高い評価を得ることは難しいでしょう。
そこそこ大きい支店でも、『あれ、まだこの人調査役なのか…』というケースが少なくありません。

 

 

銀行の本店・本部の機能・特徴


上の写真は、日銀本店です。倉庫には金(きん)が眠っていると言われています。

 

 存在する部署

 

複数にロケーションがばらけるケースもあるため、ここでは本部ということにします。
本部には、経営企画部、主計部、事務統括部、リスク管理部、総務部、市場運用部等の、まさに銀行全体に関わるような業務を担当するセクションが集まっています。

 

・経営企画部…金融庁や日銀との折衝、経営方針の策定等
・主計部…銀行の決算報告、そのとりまとめ等
・リスク統括部…融資や運用状況のモニタリング、リスク計測等
・総務部…全国の支店のプロパティ管理等
・市場運用部…債券や株式への投資によって収益を稼ぐ

 

上に挙げたようないわゆる本部機能のセクションには、比較的高学歴で頭でっかちな銀行員が集まる傾向にあります。
でなければ務まらないような、なかなか複雑な仕事が多いからです。

 

また、本部には営業機能も備わっていて、『ナンバー部』と通称される部署があります。
営業第一部~営業第九部、といったように、数字が割り当てられます。
一部は電気系メーカー、二部は自動車メーカー、七部はIT系、等のように、ナンバーごとに扱う業界が分けられます。
ナンバー部は大企業ばかりを扱うセクションであり、営業の中でも花型です。

 

 文化

 

支店と比べると比較的ドライな部署が多いと思います。
自分の仕事が終わればそそくさと帰る銀行員が多く、飲み会が頻繁に開催される部署は少ないというのが実感です。
(もちろん、上司や部長の好き嫌いにも左右されますが、パワハラやセクハラが問題視される昨今の風潮を受け、プライベートでのやり取りの機会は本当に少なくなったなと感じます。)

 

先ほど述べたように、それなりに学歴が高く地頭の良い銀行員が多く、論理的思考・解釈が求められやすいです。
松岡修造の根性論や精神論ではなく、~だから~する、その背景は~、といった理路整然とした思考回路が必要になります。
ナンバー部もしかりで、大企業相手になると根性や努力で取引拡大にはつながりません。
『あそこの社長は●大学出身だから、同窓の●常務を連れていこう』とか、そんな機転が要ります。

 

 昇進・昇格

 

支店に比べると、圧倒的に昇進・昇格しやすいと感じます。
そもそも支店よりも本部のほうが母集団が多いからそう思うのかもしれませんが、先ほど述べた通り、やはり優秀な銀行員は営業でも事務でも企画でも、本部に集められる傾向にあります。
そういった意味でも、本部のほうが昇進・昇格しやすいと言ってよいのではないかと思います。

 

銀行の場合、部署や支店ごとに毎年評価が与えられます。
目標を大幅に達成した部署・支店はA、そこそこならB、ダメだったらC、みたいな感じです。
A評価を得た部署・支店は、昇格できる銀行員の数も多めに割り当てられます。
C評価を得た部署・支店は、昇格できる銀行五の数が少なくなってしまいます。
なので、部署・支店の評価が高いところにいた方が昇進・昇格しやすくなるわけですが、小さい支店だとそもそも取引機会に恵まれず、一発逆転もできませんし、収益の絶対額も小さくなてしまいます。
本部だと、そもそも目標が定量的(顧客何件獲得した、等)ではなく定性的だし、ナンバー部でも元々取引先の規模が大きくて取引機会に恵まれ、前年+αくらいやればそれなりの評価を与えられます。
そういった意味でも、本部のほうが有利に働くといえるでしょう。

 

もしもある程度昇格を目指したいと思うのであれば、入社時から本店・本部に配属されるように希望を伝えることをオススメします。
一度支店に行くと、近い支店をぐるぐる回される可能性が残ってしまい、本部に異動になるまで時間がかかることもあります。
最近は人事も考えているようで、本部と支店をとりあえず少しずつ経験させるジョブローテーションを組むようにしているようですが、僕もそうであるように、一度本部配属で適性を認められればずっと本部に居続けられます。
もちろん、地方の支店で働くことを悪く言うつもりは毛頭ないし、それはそれで楽しいと思います。
あくまでも昇進・昇格を望むのであれば、という前提での提言です。

 

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