銀行員が出世するためには?【同期のライバルがどれだけいるかが問題です】

  • 2021年3月2日
  • 2023年10月25日
  • Banker
 
銀行で出世を目指しているひと『将来的には給料も高くなるし、とても安定した職業だから、銀行員していると生活には困らない。ただ、出世できないと給料は伸びていかないな。どうしたら出世しやすいか教えてほしいです!』

 

こういった疑問にお答えします。

 

銀行員が出世するためには?同期が少ないと追い風です

 

あなたの出来がよかろうと悪かろうと、ライバル次第です。

 

 本記事の内容

 

 

・とある先輩銀行員のお話
・出世するための条件
・まとめ:逆風の時こそチャンスあり

 

 

銀行員になると、よほどのミスをしない限り、調査役くらいまでは昇格します。
調査役まで昇進すると、年収は800万円くらいまでは十分に到達可能です。
そのあと全然昇進できないと、自分よりも若い人が上席になるので、居心地は悪くなるかもしれませんが、そんなことを気にさえしなければ定年まではある程度安定した給料と生活が確保できます。

 

とはいえ、出世して肩書きが上がり、年収が増えるに越したことはないと考える方も多いでしょう。
(僕は責任や管轄が増えるくらいなら今のままでいいと思ってしまう今時社員ですが…)
サラリーマンをしていると、『なんであんなやつが部長になってんの?』と首をかしげたくなるような事例も感じたことがあるはずです。
もちろん、優秀であることや実績があることも出世の条件の一つではあると思いますが、それ以上に大切なファクターがあると思います。
銀行に限らず、その他の企業にも当てはまるところがあると思いますので、参考にしてみて下さい。

 

 

とある先輩社員のお話

 

興味深い話を聞けたので、参考までに紹介します。

 

 とある先輩銀行員とは

 

2021年現在、僕は銀行の中でも、専門的な商品の企画や組成を担当しています。
一方で、お客さんに融資や資金繰り、その他もろもろのニーズを拾いに行く営業担当部隊が銀行の中にあります。
地方だと支店の法人RM、都内だとナンバー部の法人RMがそれにあたります。

 

 

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  銀行で出世を目指しているひと『将来的には給料も高くなるし、とても安定した職業だから、銀行員していると生活には困らない…

 

 

お客さんから特定の商品のニーズを聞き出したRMは、僕のような専門商品を取り扱う部署に連絡を取り、RMと僕が帯同してセールスに行く、みたいなことがよくあります。
コストの提示条件やセールス内容については、事前にRMと意見を交わすこともあり、RMの意向を強く反映させるケースもあれば、その逆のケースもあります。
このあたりは、お客さんと銀行の間の取引関係や、他行との取引関係にも依存しますね。

 

今回ご紹介する話をしてくれたのは、ナンバー部のRMの先輩銀行員です。
年は40過ぎ、所帯持ちの男性で、もともとは専門商品を扱う部署にいた方です。
あるお客さんに対して、僕の扱う商品をリピートで販売していることもあり、その先輩銀行員の方とはそれなりに接点を持つ機会が多くありました。

 

 

 異動の内示の話がありました

 

さて、その先輩銀行員の方と先日、お客さんのところに帯同訪問した帰りに、こんな話をしてくれました。

 

 

 
とある先輩銀行員『実はこの前内示が出て、海外に転勤することになったんだよ。管理職昇格含みで、海外手当もつくから年収は300万円くらいあがりそう!海外は希望してたから本当によかった。家族がついてくるかどうかはビザの関係もあってまだわからないけど、ありがたい話だよ~。
『僕の世代は就職氷河期だったし、統合時に同期もバタバタと辞めていったからライバルも少なくて、とんでもないミスしない限りはどこかの支店長くらいまでは上がれそうだ。』

 

 

 ご栄転と海外手当について(横道にそれます)

 

先輩銀行員の方は、はたかたみてもしっかりしたRMで、仕事を任せられる人だと思います。
本人も希望されての海外転勤ということで、おめでたい限りです。
海外を志望する銀行員はやはり多いので、人事の目に適ったということなのでしょう。

 

海外転勤になる場合には、本人のビザがいつ取れるか次第なので、実際の転勤の時期は数か月後になります。
この方の場合も、3か月後くらいになる予定、とのことでした。
それまでの間、外国語の塾に通って語学力を高めるそうですが、現地のスタッフは日本語を普通に話せるそうで、果たしてそこまで勉強する必要があるのか疑問だ、ともおっしゃってました。

 

海外手当というのは、『危険地だから』とか『日本に残る家族のための日本円支給』とか『現地で買い物をするための現地通貨支給』とか、いろんな名目で追加で受け取れる給料のことです。
海外に転勤になった友人や先輩に話を聞くと、こうした手当がよくあるそうです。
身の安全を確保するため、現地での住まいは超高級ホテルのレジデンス部分だったりすることが多く、それでいて家賃はほとんど会社持ちという破格の待遇です。
こうした手厚い待遇もあって、海外転勤に興味を持つ銀行員も少なくありません。

 

 

出世するための条件

 

優秀であること、実績があること、は二の次です。

 

 優秀さと実績

 

出世するために必要な条件として、優秀であること、実績があること、は確かにあげられます。
実際、この先輩銀行員の方は、確かにRMとして優秀だし、お客さんとのリレーションもしっかりしていました。

 

ただ、銀行員を長く経験していて思うのですが、『実績』とか『優秀』というのは『いかにミスをしないか』ということと非常に近い性質であると感じたりもします。
ミスをしなければ優秀か、と問われれば、銀行の世界ではYesです。
ミスをしなければ実績とみなせるか、と問われれば、結果としてYesに限りなく近い、と思います。
ミスせず仕事をしていれば黙っていても仕事は降ってきて、それをミスなくこなせば『実績』として積みあがっていくからです。
少々夢のない話かもしれませんが、銀行員とはそういうもののように感じます。
もちろん、一発逆転で大きな実績を上げ、出世するケースもありますので、一概には言えませんが。

 

そもそも、銀行員になれる人はもともと地頭がよく、学歴も比較的高いです。
勉強ができる=論理的な思考力はあります。
だから、銀行員ならばみんなやればできるし、自分に合う環境・同僚かどうかのほうが大きなファクターなのです。

 

 

 ライバルの数

 

自分が優秀かどうか、実績をあげたかどうか、よりも、出世争いのライバルが多いか少ないかのほうが圧倒的に重要なファクターであると僕は思います。
どんなにあなたがダメダメな営業マンでも、同期がもっとダメダメだったら、自然とあなたが昇格します。
会社というのはそういうものです。
世間体で、年次というものを気にせざるを得ないため、ある年齢層から一定数の役員が輩出されます。

 

同期の数の多さを決める要因は大きく二つあります。
一つは新卒採用の数の多さ。もう一つは中途退職者の多さです。

 

新卒採用数が多いほど、当たり前ですがライバルは多くなります。
その時の景気動向や、銀行業界に吹く風向きいよって新卒採用者数は増減します。
バブル期などは新卒採用数が多いし、不景気だったり昨今のロボ化の流れが加速すると激減します。

 

 

まとめ:逆風のときこそチャンスあり

 

僕の好きな言葉『ピンチはチャンス』。

 

 先輩銀行員の方の事例

 

先ほど紹介した先輩銀行員の方は、採用氷河期世代だったし、しかも2000年前後の銀行信用不安に伴う大型再編時を経験した世代でした。
新卒採用数も少ないし、しかも途中で辞めていった人も数多くいた世代です。
その中で、歯を食いしばって銀行に残り続けた、ある意味希少種なのです。
希少種は、出来の良し悪しに関わらず価値が出やすいというのは、世の常です。
ほっといたって出世します。

 

もちろん、本人の素質によるところもないわけではありません。
ミスしまくり、お客さんに迷惑かけまくりでは未来はありません。
でも、大きな案件を獲得したり目立った積極性がなかったとしても、ミスしなければ一定の仕事は与えられ、一定の評価を得ることはできるのが銀行です。
そこで一定の成績を上げ続ければ、ライバルが少なければ出世してしまうのです。
出世のみならず、先輩銀行員の方のように希望する人事を叶えられる可能性も高まるでしょう。

 

 

 銀行に逆風が吹く今こそチャンスあり

 

昨今は、~ペイの台頭によって伝統的な銀行業界が追いやられています。
人気就職ランキングでも、上位から押し下げられていまう状況です。
成長性が乏しく、配当率の高い株式として一定の地位を得てしまいました。

 

 

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しかし、逆風で人気のないときこそ個々人にとってはチャンスだと思います。
銀行も常に優秀な人材を求めています。
希望する母集団が少なければ、それだけ自分にチャンスが生まれます。
就職すれば、ライバルの数も減り、自分が出世する可能性も相対的に高まります。
世間の風当たりが厳しいときこそ、逆張りで銀行員を目指してみるのは、価値あることだと思います。

 

 

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